Я[大塩の乱 資料館]Я
2011.4.11

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大塩の乱関係論文集目次


『大阪府誌 警察史』

その31

大阪府 1903 より


◇禁転載◇

 降りて文政七年八月、大阪町中に関し、法度の定められたるもの、都べ て八箇條、其の概略、左の如し。  家屋の建築をなす者は、公儀の作法に随ひ、表通りの土蔵、並に釣格子 等は、年寄並に近所の意見を伺ひ、たとへ表通りに拘はる修繕にても、我 儘にすべからず。又、地形は古例の通り、水上新しき地形より、一寸下り とし、之れを定むるにも両隣立合、見分の上とすべし。     やもり  町人家守、並に代判人の商売用にて、他所他国へ出づるには、前以つて 年寄五人組へ届け出で、留守中代判人を定むべし。又、借家を貸付するに は、是迄の居所、及び商売等を糺し、年寄五人組へ届け、なほ町内一統承 知のうへ、家請証を取りて、貸付くべし。  奉公人を召抱ふるには、請状、並に寺請状等を取るべし。又、京都、江 戸、奈良、堺、その外、何方にても他国に掛り合ひ、所役人に付き添ひて 他行する時は、その請費用は、落着の上、当人は残らず出費し、当人、若、 不如意なるときは、左の割合を以つてす。    十分の三 家主より出銀。    十分の二 五人組役割出銀。    十分の五 町人役割出銀。 但、当人にして在来町人なるときは、其の親類より、悉皆これを弁償し、 親類にして資力なく、之れを歎出でしときは、十分の三は五人組、十分の 七は町人の負担とす。  抜荷唐物売買は、法の禁する所にして、之れを犯すものは、借家人は一 件落着する迄、その家主より家を明けさせ、当人が在来の町人なるときは、 居宅は借家となし、他所へ引越さしむ。但、時宜によりては、異なりたる 法を行ふことあるべし。  町内に棄児有るを見出だしゝ者は勿論、五人組は貰主を求め、其の手続 をなして、貰主に遣はすべし。此の費用負担は左の如し。    十分の三 家主より出銀。    十分の二 五人組役割出銀。    十分の五 町人役割出銀。          てあやまち  町内にて出火、並に手過有りし時、其の入費は当人より出だすべきもの なれども、若、当人不如意にて、出来する能はず、町内へ歎き出でし時の 割方は、左の如し。    十分の五 家主より出銀。    十分の二 五人組役割出銀。    十分の三 町人役割出銀。 然れども、其の時の摸様に仍りては、変更することあるべし。  町内の往来先に行倒れ、又は変死者ある時の出費は、左の如し。    十分の三 家主より出銀。    十分の二 五人組役割出銀。    十分の五 町人役割出銀。  家屋敷の売買は、時価を以つてし、町並不相応にすべからず。而して家 屋敷売買を決行せし上は、銀高、並に買主の名前を町内へ申達し、町内一 同の承知判を取るものとす。  他町に家屋敷を所有する者は、家守を附し、隣町村のものは、格別につ き、之れを要せざることあるベし。而して家守は、一名前にて家二軒迄を 勤め、持主違の二軒は、家守一人にて勤むべからず。


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