大阪府 1903 より
重過料。 重過料は、概十貫乃至二十貫文と定められ、其の内、身分の高きもの、 又は持主に応じて、金二十両あり、三十両あり、又、其の以上を課するこ とあり。而して皆三日を期して納付せしめ、若、貧困にして、其の期日に 至りても納付すること能はさるものは、一日一貫文の比例を以つて、手鎖 の刑に処せらる。今、本科に処せらるべきものを挙ぐれは、左の如し。 一、隠鉄砲を所持し、若くは、他所より来たりて、発砲せし村方の各主組 頭。 一、地頭へ強訴せし百姓。 一、田畑を永代買せし者。本人死せば、其の子同罪、且、田畑没収。 一、廻船荷物を売買せし質主及ひ売主。 但、荷物代金共に取上げられ、荷物は問屋へ渡さる。 一、新規の神事仏事をなしたる者。 但、出家社人は逼塞。 過料。 過料は、三貫文と五貫文との二種にして、其の期日は、重過料と同じく 三日限とし、又、貧困にして納附すること能はざるものは、手鎖の刑に処 せられ、之れに恰当すべき科は左に。 一、賄賂を請けし者、之れを返したりと雖、村役人は役儀取上、平百姓は 過料に処せらる。 一、人に疵付し者は、疵の多少に仍らず、療治代、町人、百姓、銀一枚。 一、質物は八箇月とし、此の期を経過すれば、流れと定められたれども、 置主の利足を済ましたるを、売り払ひし質屋は、質物請戻させ、過料に 附せられ、若、売先不明なるときは、元金倍増として、置主に渡さしむ。 一、隠鉄砲、玉薬を売りし者、若くは、隠鉄砲を打つ者と馴合ひ、鳥獣を 商売する者。 おとめば 一、御留場にて、諸鳥の印を取りし者。 一、村内に於いて、盗人の宿をなしゝ事を知らざる村役人。