Я[大塩の乱 資料館]Я
2011.4.26

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大塩の乱関係論文集目次


『大阪府誌 警察史』

その42

大阪府 1903 より


◇禁転載◇

手鎖。  手鎖は、多く五十日と百日との二種にして、牢屋敷の掛リ官にて之れを 施し、封印を附して入牢せしめ、五十日手鎖は、五日毎に其の封印を改め、 百日手鎖は、隔日改とす。而して過怠手鎖の者は、其の日数一倍を増し、 吟味中の者は、百日手鎖とし、又、逃亡せし者は、本罪より一等を増す。 此の刑に処せらるゝ者は、左の諸種なり。 一、隠売女(密売淫。) 一、婚礼に際し、石を打ち、其の他狼籍したるもの、頭取は百日、同類は  五十日。 一、抱主にして、踊子に売淫せしめし者。 一、手鎖外しの者。 敲。  此の仕方ば牢屋敷表門前に、筵三枚を敷き、門扉を開き、右方には囚獄 等の検使立合し、左方には打役一同、其の次に医師、下男、部屋頭一同列 席し、牢屋の詰番なる非人小屋頭の手下は、罪人を召連来たり、往来の道 を背にして、筵上に座せしめ、下男其の縄を取り、其の後方には、牢屋同 心二人固め、附添ふ。夫れより裸体となし、其の着物を筵の上に敷き、往 来の方へ顔を向けて、其の上に伏せしめ、下男は手足を押へ、打役ば箒尻 にて之れを打ち、打役の内一人、其の側に立ちて敲、数を数ふ。 其の百敲のものは、五十打、終らば、医師、気附薬と服せしめ、下男、部 屋頭は水を呑ましめ、更に打役代りて、之れと打つ。其の敲は、牢問の敲 に於けるが如く、背骨を除け、絶に入ることなからしむ。而して宿下ゲの 者は、町人は町役人、在方は名主組頭、溜預ケの者は溜役人、何れも本縄 を掛け、寄場預ケの者は、縄取と称する役人へ、在牢の者は、牢掛をして 各之れを引取らしめ、又、無宿のものは、乃、門前払となる。 尚、本刑に処せらるべき罪科は、左に。 一、怪き盗をなしゝ者。 一、途中にて小盗をなしゝ者。 一、湯屋にて衣類を着替へし者。 一、盗物と知り乍ら、世話をなし、配分は取らざりし者。    但、配分若くは礼銭を貫ひし者は重。 一、盗物と知りて預りし者。 一、橋の高欄、又は武士屋敷の鉄物を外しゝ者は重。


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