Я[大塩の乱 資料館]Я
2017.12.17

玄関へ

「大塩の乱関係論文集」目次


『飢饉資料』(抄) その100

司法省刑事局編・刊 1932

◇禁転載◇

第四章 飢饉の私的対策
 第一 代用食
   (一)食用草木(備荒録 五四頁以下)
     三 食用草木 花実之部(4)

管理人註
  

 までばしひ 殻斗科 まてはかし、さつましひ、はしばみ(会津)   此樹皮形に似て亦「いねぐす」の如く厚くして長大なり、実形も亦相  似て長く褐色にて殻厚く、生にて食す、又炙りて食へば味最佳也   まつのはな 松柏科 松花   松の樹皮黒色のものを「をまつ、くろまつ」と呼ぶ、即ち黒松也、又其  赤きものは「めまつ、あかまつ」と呼ぶ、即ち赤松也、共に其松花松皮を  古来凶歳には食糧に用ふ、又松花餅は春夏の候、山民松花を採りて密を調  へ、餅に作る佳なりと云ふ、張雨の詩に恠来作鵝黄渾是蒼髴九粒香甜  味中辺惟食密苦早晩侍休糧 下略 と蘇州府志に見えたり、又松花の黄粉を  松黄と名く、之を払取て湯に点し服するの説あり、又此粉に白糖を和して  餅となし、果餅に充て之を食ふ由、漢説に見へたり、唐伯虎の句に地爐温  却松花酒とありて 其製別を審にせざれども、亦核液顕松節酒の如く糯と  和し、醸造するものなるべし、  あかゞし 殻斗科 血 ならはかし   材質硬堅にして世人の熟知する処也、「しらかし」「ほうばかし」「う  らしろかし」「つくはねかし」等あり、葉形一ならす、随ひて其実も小異  あり、味ひ苦渋あれども、通して食用となすべし、山民搗きて水に浸し、  屡々水を換へ、苦渋を去ること栃実に同じ、又実用なすも然り       あけび   あけび 木通科 木通 阿介比加奈都(和名鈔) あけべ(若州)       たどば(越前) はだつかつら、あくび(熊野) あけぷ       (豊前) あけび(会津)   蔓草にして山林に自生し、又人家の藩籬に纏ひて繁殖す、橢円の五小葉  合して一葉をなす、この一葉大小均しからず、面肌細徴にして美なり、蕚  は漢方医家の常用品也、春日粉紫色なる花穂をなし、下垂し、後実を結ぶ、  長髄にして形瓜の小なる如く熟すれば、其一方縦に開き、内に白あり、  味甜し、児童採りて食ふ、黒子多し、此子の油は上品にして食用灯油に宜  し、羽州秋田等にて日用に供すと云ふ、又西京鞍馬山名産の木芽漬は此嫩  葉と忍冬葉とを合せ塩蔵したるもの也、又播州、江州にて此葉を茶に代用  す





























唐伯虎
唐寅
(1470-1523)
明代の文人


(もち)
































甜(うま)し


『飢饉資料』(抄)目次/その99/その101

「大塩の乱関係論文集」目次

玄関へ