Я[大塩の乱 資料館]Я
2018.4.9

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「大塩の乱関係論文集」目次


『飢饉資料』(抄) その106

司法省刑事局編・刊 1932

◇禁転載◇

第四章 飢饉の私的対策
 第一 代用食
   〈三〉粮食調理法(備荒録 一一一頁以下)
     一 甘藷外五十六項(2)

管理人註
  

     馬鈴薯  葛粉蕨粉と同じく粉を製するを得べく、先藷を取り水に浸すこと凡そ六時間置 き取り出し、其皮を去り、又水を浸すこと二時間にして、後切りて薄片となし、 臼に入れ、搗爛して餅の如くならしめ、水を加へて稀解し、緻布を以て濾過して 白汁を取り、又其の滓を臼に入れ、更に搗煉し、又水を加へて撹動して、濾過し て白汁を絞り取り、幾度も此の如くにして、白汁出ざるを度とし、其汁を沈定し、 薯粉悉く器底に沈着するを俟て、其上清を傾け出し、又水を加へて撹動し、又沈 定するを俟て、其上清を傾け去り、幾度も此の如くになして、其上清無味に至る を度とし、水気を去り、太陽に曝し、或は微火に上せ乾かすなり、用法葛粉蕨粉 の如くにして、此に勝る事万々なり、(三物考抜抄) 一 馬鈴薯を湯煮にして放冷し、皮を剥ぎ、臼にて搗き砕き、之に蕎麦粉又は小  麦粉を交へ、少しく食塩を加へ、団めて味噌汁又は小豆汁へ入れて食すれば、  味美にして衛生上有益なり、 二 馬鈴薯を生の儘皮を剥きて摺卸し、之を絞上げ、其汁より自然に沈下する澱  粉を採り、前に絞上げたるものと交せ、之に食塩少量を加へ、小さくちぎり落  して味噌汁の実とす、 三 前と同様に摺卸し、汁の底に沈みたる澱粉を採り、之を小麦子又は蕎麦粉に  交ぜ、食塩を加へ、厚さ三分程の円形に延し、焼て食すれば、其味佳なり、又  弁当に用ゆるに宜し、 四 馬鈴薯の皮を剥ぎ、之をさいの目に細かく切り、白米其他の雑穀と共に煮て  食ふべし、 五 第二第四法の如くなれるものを、豚脂又はシラメ油にて揚げて食すれば最も  宜し、





緻布
(ちふ)
きめの細かい布


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