Я[大塩の乱 資料館]Я
2018.4.10

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「大塩の乱関係論文集」目次


『飢饉資料』(抄) その107

司法省刑事局編・刊 1932

◇禁転載◇

第四章 飢饉の私的対策
 第一 代用食
   〈三〉粮食調理法(備荒録 一一一頁以下)
     一 甘藷外五十六項(3)

管理人註
  

     小麦粉  小麦粉は其製造法枚挙に遑あらずと雖も、先づ手軽き製造法を上ぐれば、右の 如し、   ういろもち 一 外良餅 小麦粉一升に煮小豆凡そ一合許りと食塩少しを加へ、砂糖適宜に入  れ、水にて能く煉り、平く造り仕立、蒸籠にて蒸し上げ、適宜の大さに切り、  食用となす、至て風味よき食物なり、 二 弁当パン 塩肉、塩鮭、鱒等を細かく切り、又は芋等を少さく切り、小麦粉  に食塩少しと炭酸アンモニア液を少し許加へ、適宜の度に水にて能く煉り、宜  しき大さとなし、パン鍋に入れ焼くべし、日用の弁当又は旅行用として、至て  便利なる食物なりとす、 三 餅パン 小麦粉一合に白飯又は麦飯等を凡茶碗に一杯許と玉子一個、食塩少  し許を加へ、能く煉りたるものを平鍋に油を引きて落し入れ、両面より焼き、  少し薄色の附きたる頃火より下し、食用となす、焼き過ぬ様生焼にして用ゆべ  し、至て風味わろし、又之に牛乳を加へ、焼くも大によし、                    わ さ び 四 小麦柿団子 渋柿の実を皮を去り、山葵菜をろしにて摺り、小麦粉に柿の実  大なるは七果、小なるは十果許食塩少し加へ、能く煉り、団子となし、蒸籠に  入れ、凡一時間許蒸す時は、渋味は変じ、糖分となり、甘味を生じ、味好き団  子となる、至て淡白なり、   又小麦粉を薯とろゝにて能く煉り、団子となし、油にて揚げたる後、大根お  ろし又は蕪おろし等を掛け、醤油等にて食ふ、味淡白にて風味よろし、又菜汁  等に入れ食するも大に可なり、

  


『飢饉資料』(抄)目次/その106/その108

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