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「大塩の乱関係論文集」目次
司法省刑事局編・刊 1932◇禁転載◇
凡飢饉年の兆をば智ある人は夏の中にもはや見及ぶべし、尤七月末八月 初には慥かに見ゆる物なり、されば其年なみ五こくの色を見て飢饉を悟り、 早く身持を引かへて勧むることを知らず、先秋の実り出来ぬれば悦びいさ みて春のきゝん餓死すべきことをも弁へず、心にまかせ飲み食ひ万のもの を用ひしたかひ求むゆへ、春の貯へたらずして年明くれば頓て飢るもの多 し。
五こく 五穀 頓(やが)て