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(百十二代)東山天皇元禄三年庚午三月、水戸の徳川光圀曰はく、民凍
餓することあらば、安ぞ人牧を用ひんと、予め雑穀を畜へ、歉歳なれ賑済
し、豊穣ならば益々貯畜せしめんと、又鰥寡孤独、老廃無告者は歳々雑穀
を給し、或は病馬あり、養ふ能はざるものは、蒭豆を給せり、嘗て城下の
府庫災に罹れば、士民共困するを慮り、倉廩を側近の村里に設け、以て穀
を畜へ去年より今年に至る郡吏の秋稼を検するを罷め、各村里長をして自
ら之を検し、敢て欺罔するなからしむ、人民、大に安堵せり(義公行実)
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鰥寡孤独
(かんかこどく)
妻を失った男、
夫を失った女、
親のない子、
老 いて子のない人、
寄る辺ない身の上
蒭
(まぐさ)
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