しよくにん
○工 大工、左官、其外職人共、平生金銀米穀をたくはへ置候存念少く、
其職に骨折り候へども、持たる金銀も多くは衣食に遣ひすて、気おひはだ
なるものなれば、うゑ年にも、かゆははらへり候とてめしを喰、うゑに迫
り候へば、気強に相成候ものゝよし、ケ様の節は屹度相つゝしみ、其職を
かせぎ、細工賃の直あげせず、きゝんは相見たがひの事にて、人のうゑ死
するも見すてがたければ、なる丈けんやくして、米をのばすべし、ほうば
いたちに、無慈悲なるもの、無分別なるものありて騒ぐ事あらば、よくな
だむべし、平日うえこゞえざるは、天の御かげ、上の御恩なりと存じ、よ
く/\わきまふべし
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