Я[大塩の乱 資料館]Я
2017.5.20

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「大塩の乱関係論文集」目次


『飢饉資料』(抄) その69

司法省刑事局編・刊 1932

◇禁転載◇

第四章 飢饉の私的対策
 第一 代用食
   (一)食用草木(備荒録 五四頁以下)
     一 食用草木 根之部(4)

管理人註
  

 つるぼ 百合科 綿棗児 ずるぼ、さん、たいが、さうしうろう(東       京) いぬにら、うしのにんにく(江州、上州) すがな       (三州) こけぢらう(木曾、東濃) みしようち(下総)       あまな、へそび(尾州知多郡) すみら、すいべら(筑前)       いびら(豊前、豊後) しんげつふ(北海道)   原野堤塘に生ず、白露前後花梗のみを抽き、六弁淡紫花をなし開き、  春に至りて始めて葉を出す、形山慈姑の如し、花時多くは葉を具す、根  は石蒜に似て、大さ棗の如し、此根を水簸し、粉となし、餅に作り多く  食へば転失気をなし、故に上州筑波辺方言「へひりぐさ」と呼ぶ、又漢  説にも根を堀り、水を添へ、久しく煮熟して食ひ、若し水を換へずして  煮食へは、後ち腹中雷鳴して下気ありと云ふ、此根は久しく煮されば、  食ふべからざるにより、時間と薪とを費やすの患あり、又久しく煮熟す  れば其色飴の如く、其始め甜味を覚ゆれども、後甚だ苦となる故に  粉を撒け食ふ   つばな 禾木科 白茅 ちかや(会津) 智   本綱白茅は田野所々に生す、春生芽如針、俗謂之茅針、亦可甚益小  児、夏生白花、成穂茸々然、結細実至秋、而枯其根甚長白く、軟かに如  筋、而有節又嫩根も煤て粮とす  うばゆり 百合科 蕎麦葉貝母 かわゆり、てんぐゆり(西京) し        かゝかくれゆり(筑前) うしな (木曾) やまくわい        (江州) やまかふら(佐州) うしべる、とれつぶ(北        海道)   諸国山中に多し、葉は心臓形尖頭長尺余にして、厚く而光沢あり、或  は脈絡に暗紫を帯ぶ、一茎直立に七八葉攅り着き、大暑後此茎更に六七  尺に及び、数花を着く、横に向ひて開く形、百合の如くにして、外面白  色淡緑を帯び、正開せす、長四五寸あり、佐渡村民は春月茎葉を採食ふ、  根も百合の如し、諸州民堀りて食用とす、松前の貧民は夏月此根をし、  糸にて貫き晒乾し、後又搗て餅となし、之を貯へて冬月の糧とす、又澱  粉を製す、其色純白にして、品質頗る佳なり、或は「かたくり」に偽る  ものあり

白茅
(ちがや)




















攅(あつま)り

















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