Я[大塩の乱 資料館]Я
2017.9.16

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「大塩の乱関係論文集」目次


『飢饉資料』(抄) その70

司法省刑事局編・刊 1932

◇禁転載◇

第四章 飢饉の私的対策
 第一 代用食
   (一)食用草木(備荒録 五四頁以下)
     一 食用草木 根之部(5)

管理人註
  

 のあざみ 菊科小薊   原野路傍に生ず、葉は欠刻多くして縁刺あり、冬は地に搨し、春藁を抽  き、枝を分つ毛茸あり、四五月粉紫色の花を開く、又深紫紅白等多種あり、  或は園に栽えて花を賞す、冬春の際生草に乏しきを以て、村民此苗を採り  搗きて牛馬に飼ふ、又此根は塩蔵して食す   一種「やまあざみ」漢名大薊亦品種多し、山中に自生す、高五六尺に至  り、秋月花を着く、箱根山民は此根を煮て食す、其味牛旁の如しと、凡薊  類は葉に刺あれども、春夏の交嫩茎を採り食ふ、亦赦荒の一に備ふべし   のびる 百合科 山蒜 弥比留(延喜式) のゝひる(勢州、江州、信      州)ちもと(仙台) ひるこ、あさづき(岩代、会津) ねんぶ      り(加州)   山野及荒蕪地に生す、葱類にして最細弱なり、臭気亦葱の如く、数葉互  生す、夏月茎を抽く、一二尺茎頭に数花を攅簇し、披針状六弁白色にして  微紫を帯ふ、又半間に紫黒色の珠塊を簇生す、地に落て能く自生す、春月  民苗根を連ねて生にて食す、又熟根の節根茎共に抜採り乾し貯ふ




搨(うつ)し
















交嫩
(こうどん)











攅簇
(さんそう)


『飢饉資料』(抄)目次/その69/その71

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