Я[大塩の乱 資料館]Я
2017.9.29

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「大塩の乱関係論文集」目次


『飢饉資料』(抄) その73

司法省刑事局編・刊 1932

◇禁転載◇

第四章 飢饉の私的対策
 第一 代用食
   (一)食用草木(備荒録 五四頁以下)
     一 食用草木 根之部(8)

管理人註
  

 さゝゆり 土茯苓科 黄精    一名救荒草と云ふ、何国の山にも沢山あるものにして、仙台の奥より  南部に産するは上品也、春月嫩葉を採熟換水浸、苦味去り、淘洗して食  す、根は九蒸九暴極熟し、熟せざれば咽喉を刺し、食しがたし  きゝやう 桔梗科 桔梗 ひとゑぐさ(古歌) くわんそう(信州)        せいねい(江州) 一重草むけかし(北海道) きゝやう        (会津)   山野向陽の地に自生し、人家にも多く栽えて、花を賞す、七月花を開く、  弁五裂其色鮮紫、所謂桔梗色なり、其他単一重、干葉花形の差別色の濃淡                            白等数種あり、此根は漢医日常の薬品とす、又嫩苗を煮食ひ、根を漬物と  すべし、朝鮮にても根を食用とす  きがらすうり 胡芦科 瓜 かうり、やまうりかずら(泉州) からす         うり(会津)   野生にして諸国に多し、春宿根より蔓を生ず、其茎五七尖を玉瓜に似た  り、夏月花亦玉瓜の如く弁頂細裂し、乱糸の如し、後ち結たる瓜は円くし  て、頂尖れり、冬に至りて黄熟す、故に「きがらすうり」の称あり、此根  の澱粉は、即ち漢薬の天花粉なり、其仁は亦薬品とす、漢土にも此根をと  り、粉となし、餅を製し、此瓜のを粥となし、又仁を以て油を製するの  説あり、本邦にても荒年には山人根を堀り、「うりぬ」し称して擣く砕き、  水飛し、米麦の粉に和し、餅として食ふ、此瓜嫩なるものは塩蔵として食  す

擣(つ)きて










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