は はゝきゞ 藜科 地膚 ほうきゞ、たまはゝき(万葉集) にはくさ(輔仁木)
  葉は細長披針状にして互生し、枝葉繁密なり、夏月小白花を開き、実を
               トリメ
 結ぶ、漢薬の地膚子也、和方に雀目の症は両三回之を食すれば效ありと云
 ふ、此嫩葉を採り食用とす、味頗る佳也、九州にては老葉と実とを併せ、
 岩手県にては実を貯ふ
  はこべ 石介科  婁 はくべら(和名鈔) はこべら(古名)
  はまあざみ 菊科 はまごぼう、いそあざみ、こぼうあざみ
  海辺砂地に生す、葉は薊に似て長く厚くして、光沢あり、亦刺もあり、
 花形亦薊に似たり、根甚長くして牛旁の如し、煮て食す、味亦相似たり、
 俗伝に小児の咳嗽に效ありと云ふ、又漬物にすべし、味佳也
  ははこぐさ 菊科 鼠麹 もちくさ、御形、もちよむぎ
  七日の粥に用ふる七種の一也、又昔三月三日に之草を に和し食ふの習
 慣ありしと方今諸国の村民、亦春月常に之を用、又此花を摘、乾して煙草
 に代用するものもあり
  はりぎり 五加科 いぬきり、ぼうたら(紀州) いぬたら(和州、木
       曾) 芝(松前) せのき(奥州、羽州)
  諸国山中に多し、落葉喬木にして、葉は分裂、状七九尖也、其幹に刺多
 し、材は白色、質美にして建築器具の料によし、北海道にては艇を造る、
 山民嫩芽を採り、烹て食す、味独活芽の如し
  はなあふひ 錦葵科 蜀葵 たちあふひ
  人家に栽へ、花を賞するものにして、花色数種あり、嫩葉
  はげいとう  科 雁来紅 かまつかのはな(枕の雙紙)
  葉は鶏冠に似て紫黒色、梢葉鮮紅にして美なり、葉腋に実を生ずること、
  の如し、黄色のものを雁来黄と呼び、紅緑紫黄の四色雑る者を「にしき
 そう」と云ふ、是十様錦也、共に嫩葉
 
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