Я[大塩の乱 資料館]Я
2017.10.21

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「大塩の乱関係論文集」目次


『飢饉資料』(抄) その79

司法省刑事局編・刊 1932

◇禁転載◇

第四章 飢饉の私的対策
 第一 代用食
   (一)食用草木(備荒録 五四頁以下)
     二 食用草木 葉茎之部(5)

管理人註
  

 ほふづき  茄科 酸漿   酸漿は龍葵と一類、二種なり、又酸漿は苦と一種二物也、只大なるを                    ナメクサ  酸漿とす、小なる者を苦とす、又別に販醤と名く、又苦と名く、其の  龍葵酸漿一様也、此嫩葉をき、浸水苦味を去り食すべし  べにばな 菊科 紅花 くれなゐ、くれのあゐ(和名鈔) 末摘花(源        氏物語) 紅藍花   此花普通燕脂を製するに栽培す、葉に薊の如き硬刺多し、嫩葉は食用と  なして佳味なり、漢土にても「苗亦可食」と云ひて紅花菜の名あり  とろゝあふひ 錦葵科 洋種   此葵は文久二年始めて舶齎せる洋種にして、葉形大に分裂し、五尖あり、           ト ロ ロ  鋸縁をなす、其花黄蜀葵に似たり、後凾結ぶ、長大にして形角の如く直  なり、中に黒子あり下種して生じ易し、此凾フ尚嫩なるとき、煮て食へば  佳味なり、西洋にても食用に供す、胡椒と食塩を調和し、牛乳を以て煮て  食ふ、又細にきみ、羮に和すれば粘滑にして頗佳也   どろふ 喬木 白楊木 まるはやなき、どろ   山林に生ず、木身揚に似て白き故に白揚と名く、大葉円く、梨の葉に似  たり、木肌細白性堅直梁に用ひて撓曲せず、其根繁り易し、風纔々に至  れば、葉動て大雨の声の如し、此嫩葉をて食ふ  ちしばり 菊科 剪刀股 つちあふひ、あをひからくさ、翠雲草   田野に生す、地に搨して蔓延す、苗葉嫩き苦苣菜に似て、細小、頗る青  し、淡黄花を開く、葉味苦し、嫩葉を採り、て苦味を去り食す


酸漿
(かがち)
ほおずき





(や)き
































(あつもの)















搨(うつ)して

嫩(わか)き


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