Я[大塩の乱 資料館]Я
2017.10.25

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「大塩の乱関係論文集」目次


『飢饉資料』(抄) その82

司法省刑事局編・刊 1932

◇禁転載◇

第四章 飢饉の私的対策
 第一 代用食
   (一)食用草木(備荒録 五四頁以下)
     二 食用草木 葉茎之部(8)

管理人註
  

  かはちさ 玄参科 水苔 いべきな(北海道) みそな(沖縄)   諸州田野浅水中に生じ、茎円く、葉浅緑色、鈍披状細鋸縁をなし、両々  相対す、四月に至り、高一二尺、芒種前後茎梢の葉腋に小梗を出し、穂を  なし細花を綴る、白色にして微紫を帯ぶ、冬春の際採りて食ふべし、萵苣  と均しく生熟、共に食す、味淡く、佳蔬なり   からすのゑんどう 荳科 大巣菜 やはすいんどう、いらゝ(豊前)                    スマメノエンドウ   野塘及麦に自生多し、苗は秋月に生じ、小巣菜より大にして、翼葉の項  に巻鬚あり、四月葉腋に短梗を出し、一二花を着く、淡紅紫色蛾形、亦小  巣菜に似て、稍々大なり、後扁莢を結ぶ、寸余中に七八子を収む、此草凶  歳には賤民を以て食とす   ががいも 白前科 蘿摩 がゝみぐさ、ちくさ(西京) ちゝくさ、さ        ばんや(東京) でがみつる(仙台) ごまいざい(南部)   山野に生ず、宿根蔓草にして其葉対生し、尖頭心臓形何首鳥に似て、稍  々大に且柔にして厚く、光沢あり、茎葉を摘めば、白汁出す、夏日葉腋に  花梗を抽き、梗頭に数花を攅簇す、其弁五裂、白色内面は淡紫にして白毛  茸あり、後実を結ぶ、長さ三四寸、形円長頂漸く尖りて疣あり、熟すれば  自ら縦に拆け、内に白絨あり、以て褥に入れて佳し、俗に和の「はんや」  と云ふ、此実は即ち詩に凡蘭之師支童佩と云ふもの、是也、此蔓の租皮  を去れば、内に苧あり、強靭にして釣糸に用ふべし、又此葉を陰乾し火に  焼けば、悪臭を去る、故に厠と溝とを掃除するに用ひて其臭気気を避くべ  し、此莢嫩かなるもの、及根は麺粉を衣し、油となし、煮食す、又根及  嫩葉を食して味甘美也   かうづ 蕁麻科 楮 こうそ、かつ   灌木にして本鋼与与楮乃一種枝葉相類不必分別惟有雌雄弁之雄者皮斑、  而葉似葡萄葉、而無椏又三月開花成長穂如柳花状不結実弁者実結合す、此  実を楮桃又名穀実熟したるとき採り、肉を洗ひ去り、乾し貯ふ、又嫩葉を  干し、灰湯にてゆで、素水にてゆで粮にす   かきとほし 繖形科 積雪草 つほくさ 胡薄荷地銭草   此草は宮院廟磚砌の間に生ず、葉円くして銭に似たり、茎細くして勁く  蔓を引、地を搏る香ひ、細辛の如く花を見ず、俗籬通蓮銭草と云ふ葉茎を  採り糧とす












































(いぼ)


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