Я[大塩の乱 資料館]Я
2017.10.26

玄関へ

「大塩の乱関係論文集」目次


『飢饉資料』(抄) その83

司法省刑事局編・刊 1932

◇禁転載◇

第四章 飢饉の私的対策
 第一 代用食
   (一)食用草木(備荒録 五四頁以下)
     二 食用草木 葉茎之部(9)

管理人註
  

 たらのき 五加科 槐木 たら(会津) たら、さるうど、うどもどき、        おほとりとまらず、あゆしね(北海道)   諸国山林に生ず、落葉潅木にして直上丈余、其幹に利刺多きを以てとり  とまらずの名あり、葉は複翼にして刺多し、新秋幹頭より複梗穂を出し、  梭梠の如き房花を開き、而して蜀黍の如き実を生す、此中心の白随は棣裳  の心に似て大也、此嫩芽掻き採り、き味噌に和し食す、味独特の如し、  但実を食すべからず、歯を損ず   たねつけばな 十字科 碎米薺 たがらし、しづな、ひめなづな、かは          たかな、かはがらし   水田の傍に多く生ず、冬より苗あり、葉は翼様にして、啓蟄後より十字  白花を開き、莢を結ふ、此嫩葉及根を塩にて揉み、青汁を絞り去り、醋醤  油に浸し生食す、或はになし、食するも亦佳也                           ニポグサ   たんぽゝ 菊科 蒲公英 布治奈多奈(本草和名) 和草(万葉集)         ぐちな(信州) ほのいのや(北海道)   和漢洋諸国に能く産するものにして、原野に最も多し、其形状は世間普                                  タン  く知のものなれば、更に贅せず、九州には只黄色のもの稀にして、皆白皷   ポヽ  丁なり、聞熊野及日向には自生のものなしと云ふ、但し日向に於ては宮崎  郡神武辺にあり、故に方言「みやこくさ」と云ふ、漢土には嶺南には絶え  てなしと云へり、此草は和漢洋共に薬用となし、又専ら食糧とす  れんげそう 荳科 紫雲英 げんげ(畿内) れんげばな、かんもとり         (加州) がんばな(筑前) みやこはな、さんこはな         (雲州) はうそうはな(豊前、豊後)   田野路傍に生す、冬苗を生ず、春季に至り繁延す、葉は不斉翼様にして  其葉肌細にして形楕円、四五分許清明穀雨の候、花梗を直上し、莢頭に紅  色蛾形の花七八攅簇し、輪状をなし、稍蓮の態あり、故に此の称を付す、  後実を結ぶ、和漢共に種子を播し繁殖せしめ、取りて肥料となす、其嫩葉  はきて糧となす

    


『飢饉資料』(抄)目次/その82/その84

「大塩の乱関係論文集」目次

玄関へ