Я[大塩の乱 資料館]Я
2017.10.29

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「大塩の乱関係論文集」目次


『飢饉資料』(抄) その86

司法省刑事局編・刊 1932

◇禁転載◇

第四章 飢饉の私的対策
 第一 代用食
   (一)食用草木(備荒録 五四頁以下)
     二 食用草木 葉茎之部(12)

管理人註
  

 のげし 蘭科 苦菜 ちゝくさ(東京) きつねのたばこ(和州)       うまごやし(讃州)   原野路傍に多し、秋生互に生じ、形色罌栗の葉に似たり、故に此名あり、  又薊葉にも似たれども刺なし、茎中空にして稜條あり、之を切れば白汁出  づ、春月高三四尺、葉腋より枝を分ち、淡黄色を開く、蒲公英に似て小な  り、後白絮となり、風に随ひて飛散す、此嫩葉微しく苦けれども、き、  苦味を去り食ふへし、九州にては村民常に採食す、漢土にて食用とす、或  はみて豕に飼ふと云ふ、又嶺南にては此草を栽へて以て厨饌供す  くにぜり 繖形科 みつばくさ(延喜式) のぜり(本草和名)        みつばぜり(会津)   原野に自生し、初生の葉は唯三葉故にみつばくさといふ、長すれば形状  随て大にして数岐を分ち、秋月台を抽く、五六尺紫黒の繖花開く、又淡黄  白色のものあり、嫩葉亦村民食用とす   くさぎ 馬鞭草科 久佐支(本草和名) くやう(伊勢) とそのき       (仙海州常山、臭梧桐台) とのき(羽州) とうのは(木曾)       くさきな(石川) うつしあさ(北海道) くさ木(会津)   落葉潅木にして原野に自生し、葉は心臓形にして柄あり、対生し、之を  切れば、臭気を発す、七月枝頭に花梗を出し、枝を分ち、盆状を簇開す、  五裂白色、其形赭桐に似て高蘂を吐き、後円実を結ぶ、熟して碧色となる  も、其蕚尚残りて紅色なり、此実にて紙を染むれば、碧色をなす、俗に此  樹の蠹を「くさぎむし」と称し、炙りて小児に食はしめ、疳疾を治すと云  ひ伝ふれども、虚弱の児には却て間々害あり、又此樹の根葉は瘧を絶つの  效あり、村民此葉を採り、きて晒乾し、貯へ糧となす   くちはなぢやうご 蕁麻科 赤者使者 やまかご(加州) しづくな            (佐州) みづな(会津、但州) みづ(南部)            みづとゝろ、とろゝな(木曾)   山陰渓谷に自生し、円茎斜にして直立せす、葉は略欅に似て柔に形一方  に偏り、鋸歯粗にして互生し、五月歯腋に細白花を簇生す、其茎円く、淡  紅にして蚯矧に似たるを以て「みゝづ」をみづと呼べり、陸、岩羽、越信  甲野、土等諸州に産す、村民採りて蔬菜に代へ、茎葉を連ね、煮て食し、  或は漬物とす、信州、会津等にては此草の嫩茎を(半はより下た紅色の処)            トロヽジル  俎板上にて敲き漬し、玉羔となして食す

















(わた)






































(おこり)


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