Я[大塩の乱 資料館]Я
2017.10.30

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「大塩の乱関係論文集」目次


『飢饉資料』(抄) その87

司法省刑事局編・刊 1932

◇禁転載◇

第四章 飢饉の私的対策
 第一 代用食
   (一)食用草木(備荒録 五四頁以下)
     二 食用草木 葉茎之部(13)

管理人註
  

 やぶれかさ 菊科 兎児傘 きつねのかさ、さるのからかさ、         うさきかさ、とうきち(木曾)                              チ ヤ レ ヤ ラ   深山陰地に多く生す、其嫩なるものは一根一葉にして葉形は六呉凡草に 似て小なり、多く分裂して傘のやぶれたるが如し、其の年を経る久しきもの                                  ハ グ  は夏月茎を抽き、二三葉を互生し、茎稍穂をなし、黄白色の花を綴る鬼督    郵の花に似たり、葉は微臭あれども、木曾の山民は食となす   やまごぼう 菊科 商陵 うらじろ、やまごぼう(和州、遠州、木曾)         くまとりほくち、やまあざみ(参州) せたらいた、         あゑきゝな(北海道) やまごほふ(会津)   山野に自生し、葉は牛蒡に似て小にして、且背に白色の葺毛あり、秋月  茎を抽き枝を分ち、寒露後紫色の花を開き、傾斜す、又牛蒡の花に似て大  なり、山民此嫩葉を採りて、米粉を和し、餅となして食し、或は煮沸し、  日に乾して貯ふ、又烟草に代へ、喫するを以て「ほちくさ」と呼ひ、又此  葉を陰乾し、能く揉みて火口となす、故に「くまとりほくち」、会津にて  は「くまのほくち」と云ふ、因州にては此葉を採り、灰汁に浸し、後晒し  置きて蕎麦麪に入れ用ふ、其法此乾葉を煮て絞り、擂盆にて能く擦り、其  粘滑なるを蕎麦粉に加へ、調和すれば「つなき」を入るゝに及ばず、味佳  也、然るに此の根の汁は大毒あり、最も戒むべし   やまかうばし 樟科 山胡椒 しうぶのき(東京) こうばしのき          (西京) やぶこせう(大阪) やぶけやな(泉州)           せきしようぼく(甲州)   諸国山林に多生す、落葉潅木にして、其樹皮を削れば香気あり、葉形長  楕円、稍厚くして、互生し、出芽時背軟毛葺多し、葉は枯れたるまゝ枝に  残り、翌春に至りて落ち、四月葉腋に八九の花梗を抽く、二分許小黄花を  開き、後円実を結び黒熟す、其味辛し、之より油を絞るへし、又此木は秋  鳥、或は雉子などについて神前に供するに用ふ、正月雉子に付して棚に飾  る、源氏等に「とつけき」と云ふもの是なり、此葉を粉末とし、米麦等の  粉に和し、餅とす   やはつそう 荳科 矢筈草 眼草   野堤に生する小草也、小葉似槐、及奴柘而長抱茎生、高二尺許枝條希而  如著荻之輩秋葉交結小花穂以帚草穂、其葉及晩景、則如萎如睡朝今如故也、  秋熟実を採り、春て餅とし、水に浸し、撹せ洗ひ、罅ませ粥又飯とす、又  磨て麺とし、資に造るべし   やどりき   宿生木 ほや(会津)   樹種を論せず、葉を採りて葛粉を製する如くなし、粉を取りて粮となす  べし、是は雪国にて採収し、得らるゝものなり、又鳶並青木葉も採集せら  る











































(めん)


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