Я[大塩の乱 資料館]Я
2017.10.31

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「大塩の乱関係論文集」目次


『飢饉資料』(抄) その88

司法省刑事局編・刊 1932

◇禁転載◇

第四章 飢饉の私的対策
 第一 代用食
   (一)食用草木(備荒録 五四頁以下)
     二 食用草木 葉茎之部(14)

管理人註
  

 まつむしさう 山蘿蔔科 山蘿蔔 りんぽゝきく、やまたいこ、だつま、          きくな(信州、木曾) たまむしさう、はこねきく、          のたいこん   諸国山野に生す、其脚葉は稍々蘿蔔葉に似て小なり、故に「やまたいこ」  「のたいこん」等の名あり、柔にして毛葺あり、秋月茎を抽く、高さ二三  尺、枝葉対生し、葉腋より長梗を分ち、花を着く、其状頗る菊花の如くに  して、小花聚成す、其中心は淡白微紫なる筒状の小花多く、撹簇し、其周  辺のものは稍々大に淡紫色にして、唇形をなし、上唇は短小にして、下唇  は扁長に裂せり、木曾の山民嫩葉を採り、きて水に浸し屡々水を易へ浮  泡を去り、食用とし、或は飯に雑へ食す   またゝび 山茶科 木天蓼 和多々非(和名鈔) 和太々備(延喜式)        またゝび、こつら(濃州、越前) ほつら(加州) やまふ        だら(甲州) はんざうの木(播州) なつむめづるだて        (北海道) またこび(会津)   諸国山野に生し、落葉藤本にして樹上に蔓延す、葉は梨に似て互生し、  形尖頭楕円、細鋸縁をなせり、六月梢葉の面白色に変し、葉腋に花梗を出  し、二三の小梗を分ち、五弁白花を開く、頗る梅花に似たり、後ち実を結  ぶ、五裂の蕚を帯び、楕円にして頂少しく尖り、黄色となり、柔軟にして  内に細子あり、此蔓葉実共に猫嗜み食ふ処なり、又猫の病に此の茎枝を食  はしむれば效あり、葉実皆味辛し、嫩葉を採り、醋味噌を和し食す、又実  を乾し貯へ、或は塩蔵し、食ふべし   まつは 松葉   葉を臼にてつき、汁を取り、其糟を日に曝らし、再び舂き碎き、末とな  して、貯ふ、之を食んとする時、穀の末(米、麦、蕎麦、蕨粉の類)四合  を水にひたし、混て薄きのりの様になし、之を四つに分ち、先其一つ分の  糊を呑腸胃を湿し、其次に二つ分を一つにしてかの松葉末四合入れて、和  して食し、終りに残る一つ分の糊を呑むべし、是を用ふれば、米穀のかゆ  のみ用ひしより気力をますなり、又大便秘閉する事あらば麻の実を三つほ  ど食ふべし   まくり 羊蹄しのね、たいくさ、きし\/   湿地に生す、蕪菁葉に似て狭く長し、夏黄花を開く、微小にして見へす、  根胡蘿蔔に似、黄色、能く瘡を治す、嫩苗を採り、熟水浸淘浄、苦味を  去り、食す

蘿蔔
(らふく、
すずしろ)
だいこん
















































































蕪菁
(ぶせい、
かぶ)
かぶら

胡蘿蔔
(こらふ)
にんじん


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