Я[大塩の乱 資料館]Я
2017.11.1

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「大塩の乱関係論文集」目次


『飢饉資料』(抄) その89

司法省刑事局編・刊 1932

◇禁転載◇

第四章 飢饉の私的対策
 第一 代用食
   (一)食用草木(備荒録 五四頁以下)
     二 食用草木 葉茎之部(15)

管理人註
  

 けんぼのなし 鼠李科 枳 てんふくなし(会津)   木綱此木を名白石木(一名金鈎木、柳木、交加枝)生南地、高四五丈、  葉円大、如桑柘、夏月開花、頭結実如瓜形、長寸許紐曲作二三岐儼若  之足、嫩時色糸霜乃黄噛之味甘、如密毎開岐尽処に結、一二小子状如蔓荊  子有、扁核赤色、如酸棗仁形飛鳥喜巣、其上春秧を粮とす、又実は蜂密  に等ふし(枝葉煎膏亦同)能解酒毒、若以此木為柱則屋中之酒皆薄し、用  此木誤落一片入酒甕中、酒化而為水也  ふゆあふひ 錦葵科 冬葵   嫩葉を食用とす、春蒔けば蔬となし、四季共絶えず食ふべし、味亦佳也、  又一種「おかのり」は葉大にして周辺皺あり、花実は冬葵に同じ、此葉を  採り、日乾となし、少し炙り揉みて末となし、羮に撒して食ふ、味は乾海  苔に似たり、故に「おかのり」と呼ふ、又此葉をして炙り、豆油を撒して  食ふも佳なり   ふぢ 荳科 紫藤 布知(和名) むらさくさ(古歌)   山林に自生し、人家庭園にも多く栽えて花を賞す、形状は世人の知る所  なれば茲に解かず、此嫩葉を蔬となし、又飯に雑へて食ひ、或は山人茶に  代用す、花又食ふへし、藤花菜と称す、き絞きて醋味噌にて食ふ、漢土  にては此花半開のものを塩湯に浸し、甑桶に入れ、蒸して晒乾し、貯へて  食用とす、又酒酔を解すと云ふ、又此実を取り、炙り食す、味栗に似たり、  且野州馬鹿沼辺にては此嫩葉を汲採り、腐熟せしめ、麻の肥料とす














(なえ)




























(こしき)


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