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今茲癸巳、東北諸州の荒凶、これを天明丁未の荒歉に比れば、江戸はな
ほやすきに似たり。米穀絶てなきにあらず、只その価廉ならざるのみ、癸
巳一ケ年江戸市中の米価大概左の如しと云。
正 月 金一両に玄米八斗五升、白米七斗六升
二 月 右同断
三 月 金一両に玄米六斗五升、白米五斗七升
四 月 右同断にて一升許ﾐし
五 月 右同断にて二三升ﾐし
六 月 右におなじ
七 月 金一両に玄米六斗六七升、白米六斗
八 月 金一両に玄米五斗五六升、白米五斗
九 月 金一両に玄米四斗七八升、白米四斗三升
十 月 金一両に玄米白米右同断
十一月 金一両に玄米四斗二升、白米三斗八升
十二月 金一両に玄米五斗、白米四斗四升
（頭書）天保五年甲午夏五月二日より白米小うり百文に四合五勺になる、
同月七日より又上りて百文に四合となる。白米金一両に二斗七升也。
新麦は金一両に三斗三升替也と云、この夏江戸町中裏借屋のものへ、
又籾蔵御救米下さるゝしらべありと云、今年は初ての御救米也。六
月七八日より掛りの役人とりしらべありとぞ。
甲午正月に至て、玄米五斗、白米四斗四升、旧臘におなじ、癸巳十二月、
糯米は玄米五斗より六斗の物あり、白糯米或は三斗六升に売るものあり、
四斗二三升に売るものあり、不同也、
麦は竹林麦百文に六七合
並麦 同 七八合
黒豆 一升 百六十四文
紅豆 一升 百六十四文
百四十八文
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癸巳
天保４年
天明丁未
天明７年
糯米
(もちごめ)
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