島本仲道編 今橋巌 1887刊 より
右大坂町奉行東組与力 瀬田済之助 小泉淵治郎 同組同心 渡辺良左衛門 庄司儀左衛門 近藤鍋五郎悴 近藤梶五郎 摂州吹田村神主 宮脇志摩 同州般若寺村 庄屋忠兵衛 年寄源右衛門 百姓 伝七 同州猪飼野村 百姓司哥之助父 司馬之助 同州森小路村 医師 文哉 河州守口村 百姓彦右衛門父 孝右衛門 門真三番村 百姓 郡治 同 九右衛門 尊延寺村 百姓 才治郎 同州弓削村 百姓七右衛門事 利三郎 無宿 正一郎
右之者共儀、大塩平八郎慢心に長し、米価高直諸民難渋之時節を量り、人気を為靡候計略を廻し、所持の書籍其余摂州兵庫西出町長太夫等より、兼而貪取候金子を以て買調候分をも売払、右代金施行いたし、一己の慈善に申成し、又者軽き身分を不顧、御政道を批判いたし、救民計義と偽唱、奉行を討取、大坂 御城を始市中をも焼払、豪家之金銭貧民へ分遣し、一旦甲山へ可楯籠抔と無思慮大言申述、其上反賊之名目を厭ひ、愚民を惑乱可為致ため、品々不軽文言認載候檄文を彫刻いたし、右企同志之儀申勧候を不容易儀と乍心付、右欺謀を信し、師命難背儀と存迷ひ、銘々一味連判いたし、剰徒党之節人数に加り候者共ハ平八郎差図に随ひ、一同兵具を帯ひ、鎗刀を携ヘ、百姓共を申威、多人数徒党に引入、大筒等打払、市中放火及乱妨、捕方役人へ敵対いたし候始末、不恐 公儀仕方、重々不届至極に付、瀬田済之助外十五人共塩詰の死骸引廻の上、磔、利三郎儀、死骸腐爛不致者、同様可申付候処、吟味以前病死致間、墳墓取毀、