Я[大塩の乱 資料館]Я
2002.12.15

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大塩の乱関係史料集目次


『天 満 水 滸 伝』
その55

石原干城(出版)兎屋誠(発兌) 1885

◇禁転載◇

適宜、読点を入れ、改行しています。


○坂本鉉之助初め賜品目録左ノ通

一 御指料御刀一腰 坂本鉉之助 右刀の拵目録左の如し
  (刀)摺上無銘志津長弐尺三寸六分 一腰
  (柄)白鮫糸
  (縁)赤銅斜子金紋一ツ龜甲 岩本昆寛作
  (頭)塗角
  (目貫)金龍
  (切羽)金小刻
  ()金着せ一重表紋丸の内かたバみ
  (鴎目)金三枚
  (鍔)鉄丸形
  (鐺)滅金斜子
  (鞘)蠱鮫
  (下緒)
  (袋)薄紫純子紐黒

一 御刀一腰 本多為助 一 白鞘 刀一腰 脇勝太郎 一 同      八田又兵衛 一 同      柴田勘兵衛 一 同      米倉悼次郎 一 同      高橋佐左衛門 一 同      蒲生熊次郎 一 同      京橋与力 石川彦兵衛 一 銀壹枚ツゝ  与力三十人 一 御紋服別段銀二枚 同心山崎弥四郎 一 御紋服    同心糟屋助蔵 一 上下     同心高橋弥兵衛 一 金二百疋   同心田村藤助 一 銀七両ツゝ  同心退身之者并雇候者廿九人 一 銀拾両ツゝ  打払同心弐十九人 一 銀五両ツゝ (同断雇不相成屋敷廻リ相勤候者十人之者ヘ) 一 銀三両ツゝ  右之内悴幼年之者十人           但三十二人之内打払同心ノ者共           弥四郎、助蔵、弥兵衛ハ別段被下有之ニ付除 一 銀七両ツゝ (守口宿吹田辺ヘ罷赴同心廿二人) 一 銀五両ツゝ  小頭六人 一 銀弐両ツゝ  筆頭十八人 一 銀十両ツゝ  同心百人ヘ 一 金四両    町奉行所ヘ相詰候与力十六人ヘ 一 金八両    同断同心六十七人ヘ  一 同三十両  (御雇分両町奉行所ヘ相詰候同心十四人ヘ) 一 金弐枚ツゝ (与力隠部屋住之者雇廿壱人)

右之通り被下物有之候上、当勤の与力同心へハ五月五日吸物にて酒を賜り、又隠居部屋住の者共へハ同七日下屋敷に於て同断、是を賜候由、

○高橋徹山ハ、左衛門隠居にて法体して徹山といふ、

○坂本鉉之助俊貞ハ、字鼎者萩野流砲術の師範をなして、最も其業に達す、当時御天守番坂本孫之進へ砲術手練の段達御聞、是に於て居与力被仰付、其後御天守番被仰付、関東へ被召出候時、御定番与力の株を孫之進へ被下、右に付鉉之助を養子として跡を立るといふ、中組上組東組とて支配役の者三人にて、同心百人を三ツに別て配下とす、上組の一統炮術中島流中組ハ、炮術荻野流なり、東組ハ不残武衛流なり、各々其流儀\/励み合学ひしとぞ、

○石川彦兵衛ハ、京橋組の与力にて、関口流柔術の師範をなし、当時の上手と称せらる、

○本多為助ハ、諸事心懸宜き士にして組与力の悴なり、本多家へハ養子となりし者にて最も書を能す、

○小林専右衛門ハ、支配役を勤め、当時隠居なれど当流の先哲にて、鉉之助をも取立し程の天晴一流の業者なり、殊に大筒の仕懸打に妙を得たる巧者なり、

○田村彦助ハ、東組同心猪狩矢右衛門の門人にて、武衛流の免許を請し者なり、殊に二百目筒を立撃する力量ある強士なりとぞ、


「浮世の有様 巻之八 大塩一件落著」 その1


『天満水滸伝』目次/その54/その56

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