熊見六竹が筆記 その1 |
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熊 見 六 竹 が 日 記 大 坂 出 火 |
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鴻 池 焼 か る |
一、鴻池大方丸焼け、土蔵三四ケ所焼落ち候。鴻池善五郎は向ひ故、直様打込候由。扨鴻庄は其次に打込申候。尤其節未だ店の者多分残り居候処、立退可申案内致し候由。土蔵目塗り致し候間もなき故に、土蔵不残焼落候由。但し石火矢は土蔵一ケ所より打込不申候へ共、余は類焼の由に相聞申候。 | |
三 井 両 替 店 焼 |
一、鴻池より天五・平五を打潰し高麗橋筋へ出、三井両替店を打候積りにて、表の暖簾を引ちぎり居候内、石火矢を引通り過候て、両替店は難を遁れ候由、類焼も不致大に仕合なり。石火矢打候に暖簾邪魔になり候由、後来相心得長暖簾かけ申度きものなり。 |
失 を ま ぬ が る |
三 井 呉 服 |
一、夫より三井呉服店を戸を大槌を以て二ケ度打摧き候て、おたれの上の窓へ向け石火矢三打。其後入口より蔵々へ打当て、殊に唐物蔵は戸前を開き打候由。夫故一番に焼落申候。其次岩城を打摧候事三井同様の事。
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店 へ 乱 入 |