Я[大塩の乱 資料館]Я
2003.1.9

玄関へ「浮世の有様」目次(抄)


「浮世の有様 巻之八」

◇禁転載◇

正月の日次 その1

 





天保九戌年

正月元日、晴曇定まらず、午の刻少雨降りしが直に止みて、夫より風吹出し、未の刻に至り霰少しく降りしが、之も暫しの間にて止みしか共、北風烈しくして終夜不止、
三日に至り晴天となりて、風も少しは穏かなりしが、未の刻より又烈しく吹出でて、終夜吹通しなり。
三日には晴 天なりしが、又巳の刻より風吹出しぬ。

 *1

九日晴午の刻より曇り微 雪ふりしが、酉初めより大雨大雷甚しくして、処々方々へ落ちぬ。されども火災・人死等もあらず、二更に至り雷雨共に止みしか共、北風烈しく吹出でで砂を飛し寒気堪へ難し。
十日に至り風は少しく和ぎしか共、曇天にて寒気甚しく、昨今両日は今宮なる姪子社へ諸人群をなして詣でぬる事なるに、人の出盛りに至て暴雨・大雷にて大に混雑せしと云ふ。斯様の天気なるに明くる日も寒気甚しくして、風吹きし事なれば、参詣する人も至つて少く、淋しき事なりと云へり。
十一日晴曇定らず、未の刻微雪。
十二日晴天なれども寒気甚し。
十三日晴れざれ共風は益々烈しく吹きぬ。
十四日晴曇定らず風甚しく、午の刻より雪。
十五日晴曇定らず、寅の刻より雨、暁に至り て止む。
十六日晴、風益々甚し。十七日晴、風は前日に同じ、夜半過より雪。十八日曇、前夜より降積りし雪六寸計 京都にては一尺三寸、北山に近き辺は、二尺計も降る云ふ。 十余年已来の大雪なり。

 *1

当月初よりして十七日迄は手水鉢其外の物迄、水気ある物は悉く氷張詰め、寒気堪難かりしが、
十八日朝よりして風穏になりしかば、寒気も緩かになりぬ。
夫よりして廿六七日頃迄は日々暖にして、至つて凌ぎよかりしが、
廿七日の夜よりして又寒気甚しくなりぬ。

 


管理人註
*1 三一書房版にある文が欠落している。


「正月の日次」 その2
「浮世の有様」大塩の乱関係目次3

大塩の乱関係史料集目次

玄関へ