Я[大塩の乱 資料館]Я
2003.5.15

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「浮世の有様 巻之八」

◇禁転載◇

宮島騒動の忠臣蔵作替 その1

 














当三月安芸広島に大騒動有りし由、専ら風聞せしが、其後の噂に銀札不 通用にて百 姓共少々騒立ちし迄にして、事なく治りしと云ふ事なりしが、此 度或人よりして、其騒動の事を忠臣蔵といへる芝居の七段目(九カ)に見立てゝ、書記しぬる戯れ言を見せ ぬ。之にて其騒動の実事をしるに足りぬれば、 其儘こゝに書附けて置きぬ。こは 安芸領内の者の作なりといへり。

    戌三月芸州宮島於大芝居、仮名手本忠臣蔵末世となり、逆臣連の (九力) 不忠臣蔵七(九カ)段目見達。

  大 序

家老有と雖も、職に付かざれば其味ひを知らず、国賊禄に蔓れば智勇兼備も隠るゝ習ひ、乱れたる世を幸ひに、逆意を振ふ役人の例を爰に書記す。されば諸国は米安し、頃は天保九年の春、上の御不徳四方に響き、あらゆる草葉喰尽し、万民塗炭の苦しみは、前代未聞の事なりける。されども執権関蔵人・今中大学・松野唯次郎、愈々奸智逞しく、厳命なりとも己等が心にそまねば、空吹く風人を芥の振舞は、うたてかりける次第なり。

 


「宮島騒動の忠臣蔵作替」 その2
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