閏四月江戸出火
当月四日亥の刻、麹町九丁目より出火、折節西北風強く大火に相成り、同町より同四丁目迄南側残らず、同町二丁目迄南側計り焼け、夫より山本町・平川町辺天神前通西側計り表通り共、三軒屋下通小田切様御屋敷際迄、麹町貝塚迄南側通赤坂御門通際迄、尾州様中の屋敷・稲垣様・松平出羽守様中屋敷・阿部大学様、其外寺敷多御類焼御座候。漸々翌辰の刻頃火鎮り申候。此段為御知申上候。
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廿四日雨、今日堂島の姦商米価を引上げんと博奕徒・芝居の木戸などの悪徒五十人計り雇ひ来りて、不法の業をなし、米価一石に付二匁程上りぬ。之に依つて公儀より百三十人計も召捕らる。
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廿八日丑の刻江戸丸の内大名小路松平備前守殿屋敷焼失、隣家堀田殿類焼の由。
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