Я[大塩の乱 資料館]Я
2003.3.29

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『洗心洞箚記』 (抄)

その9

山田 準訳註

岩波書店 1940 より



◇禁転載◇

序 説

二 学風と学説 (4)

中斎学説の第三は気質変化なり。倫理的要素を含む学説に於て、屡々此の説をみるは必然的要求より来るものなるも、気質に対する解釈の如何は、其の間相当の相違を来たす。朱子は性を本然と気質とに分類し、気質に悪の原因ありとなす、故に朱子学に於て気質を変化することは重要欠ぐ可らざる教説となる。王子は気質に悪を認めず、要は人欲を去るにありとの観点に立つ、故に殆ど気質変化に論及せず、此の点中斎は王子と其の見を異にする如きも、中斎の謂へる気質は王子の謂へる客気勝心に外ならず。曰く、

又曰く、

中斎に於ては、気質変化は、人格完成上緊切欠く可らざる手段にして、又た其の性格より来れるを窺知すべきか。


『洗心洞箚記』目次/その8/その10

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