山田準『洗心洞箚記』(本文)158 Я[大塩の乱 資料館]Я
2010.7.19

玄関へ

大塩の乱関係史料集目次


『洗心洞箚記』 (本文)

その158

山田 準訳註

岩波書店 1940 より



◇禁転載◇

下 巻訳者註

                     毛西河先生曰く、「良知は孟子に出づ、原と疑ふ           べきなし。特に文成此れを提げて直ちに堯舜孔孟の  学に従ふ、宋学と相反する処なり。此の二字を掲ぐ、  特に文成領要を得て、優に聖域に入るのみならず、      且つ苗を化して験実あり。則ち万世に功ある者なり」  と。西河の陽明先生を推尊すること即ち此の如し。  而て其の良知を致して以て意を誠にするの学は、之   かうりふ     ししゆく         れう  を高笠先生に私淑して、終に了悟するところあり。      其の証文・知本等の書に於て見るべし。只だ其の宋                  くわげき  学と相反すると謂ふの一語は、乃ち過激なり。程朱  何ぞ曾て良知を廃せん。学人心を平らかにして其の               これ  遺書文集を読めば、即ち往往焉を説き出せるを見る  べきなり。只だ陽明先生事事之を説くが如きにあら              ざるのみ。然らば則ち奚んぞ相反することこれあら  ん、故に学は心を平らかにして之を講ずるを貴ぶ。   毛西河先生曰、「良知出孟子、原無疑、特   文成提此直従堯舜孔孟之学、与宋学相反処、   掲此二字、不特文成得領要、優入聖域、   且化苗有験実、則有万世者、」西河推   尊陽明先生即如此、而其致良知以誠意之学、   私淑之高笠先生、終有了悟焉、於証文知本   等之書見矣、只其謂宋学相反之一語、   乃過激也、程朱何曾廃良知学人平心読其遺書   文集、則可往往説出焉也、只非陽明   先生事事説之耳、然則奚相反之有、故学貴乎   平心講之、


毛西河。前出文成。王陽明
の諱。



苗を化す。龍
場駅及び両広の
靖乱等。





高笠。未だ検
出せず。

証文、知本。
毛氏の著、大学
証文、大学知本
を云ふ。


『洗心洞箚記』(本文)目次/その157/その159

大塩の乱関係史料集目次

玄関へ