●げんばう
一六 言貌の文のみなれば、則ち君子は親信せず。
而て情と誠とあれば、則ち言貌の文なしと雖も、
必ず之を親信するなり。況んや其の言貌に見はる
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るをや。呂新吾先生曰く、「情足らず、而て之を
かざ
文るに言を以てす、其の言親しむべからざるなり。
かざ
誠足らず、而て之を文るに貌を以てす、其の貌信
ずるに足らざるなり。是を以て天下の事真を貴ぶ。
おほ
虞掩ふべからずして、而て之を言貌に見はす、そ
あゝ
れ親しむべく、信ずべきなるかな」と。吁、是の
言や、人を知るの鑑なり。
言貌之文而已、則君子不 親信 、而有 情与 誠、
則雖 無 言貌之文 、必親 信之 也況其見 於言
貌 乎、呂新吾先生曰、「情不 足、而文 之以
言、其言不 可 親也、誠不 足、而文 之以 貌、
其貌不 足 信也、是以天下之事貴 真、真不 容
掩、而見 之言貌 、其可 罪可 信也夫、」吁、
是言也、知 人鑑也、
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●言貌の文。言
葉と容貌とを美
しくかざる。
●呂新吾。前出。
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