山田準『洗心洞箚記』(本文)217 Я[大塩の乱 資料館]Я
2010.10.10

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『洗心洞箚記』 (本文)

その217

山田 準訳註

岩波書店 1940 より



◇禁転載◇

下 巻訳者註

              七二 小を語れば天下能く破る莫きの義は、善く易   せつか                だつりやくえい  の説卦を講ずれば、則ち甚だ分暁す。而て脱略頴        もくくわ       りんしよく      はんせん  異の人は、其の木果と為り、吝嗇と為り、蕃鮮と      たはくがん         くわじやうかう  為り、多白眼と為り、盗と為り、科上槁と為り、            こうぜつ       きせつ  狗と為り、鼠と為り、口舌と為り、毀折と為るの  わいさ          いさぎよし            ぐう  猥瑣を以て、之を治むるを屑とせず。而て道の寓                    しやうすう なづ  するを知らざるなり。然れども夫の全く象数に泥      のこ      うが  み、大を遺して以て之を鑿つ者の若きは、則ち其  の道を去ること甚だ遠し。何ぞ論ずるに足らん。   語小天下莫能破焉之義、善講易説卦、則   甚分暁、而脱略穎異之人、以其為木果、為   吝嗇、為蕃鮮、為多白眼、為盗、為科   上槁、為狗、為鼠、為口舌、為毀折之   猥瑣、不之、而不道之寓焉也、   然若夫全泥象数、遺大以鑿之者、則其   去道甚遠矣、何足論、


中庸の語、前
出説卦。易、十
翼の一、易の卦
を説く。

以下説卦の語、
木果は乾卦の象、
吝嗇は坤卦の象.
蕃鮮は震卦の象、
多白眼は巽卦の
象、盗は坎卦の
象、科上槁は離
卦の象、狗と鼠
とは艮卦の象に
して口舌と毀折
とは兌卦の象な
り。

象数。象は易
の卦にあらはれ
たる兆象、前述
の諸項なり。数
は初、上、九、
六の類を称す。

大。道を指す。

鑿。穿議立し
て、こじつける。


『洗心洞箚記』(本文)目次/その216/その218

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