●そうじ ●おや めい
七四 荘子曰く、「子の親を愛するは命なり、心に
と つか
解くべからず。臣の君に事ふるは義なり、天地の
のが
間に逃る所なし」と。此れ儒者の語に似て、而て
いたんくうじやくしや
異端空寂者の言ふ所にあらざる如し。故に昔人曰
く、「荘子は老子同じくして異なり、孔子と異に
と
して同じ」と。然れども其の解くべからざるもの
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は、固より不学不慮の良知にして而て逃るる所な
きの情は、乃ち勉強に出づ。其の君臣の義に於け
ぶんげう
る、未だ分暁ならざる。即ち見るべし。是れ其の
いたん
異端にして儒にあらざる所以なり。
荘子曰、「子之愛 親、命也、不 可 解 於心 、
臣之事 君、義也、無 所 逃 於天地間 、」此
似 儒者之語 、而如 非 異端空寂者之所 言也、
故昔人曰、「荘子与 老子 同而異、孔子異而
同、」然其不 可 解者、固不学不慮之良知、
而無 所 逃之情、乃出 乎勉強 、其於 君臣之
義 未 分暁 即可 見矣、是所 以其異端而非 儒
也矣、
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●荘子。前出。
●此の語。荘子
人間世篇に出づ。
●孟子尽心上篇
に「学ばずして
能くする所のも
のは良能なり、
慮らずして知る
所のものは良知
なり、」とあり。
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