●やうき ざん ● そな
一一六 楊亀山先生曰く、「万物皆我れに備はるを
すう/\
知らば、則ち数々多しと雖も、反つて之を吾が身
●
に求めて可なり。故に曰く、己の性を尽せば、則
ち能く人物の性を尽すと。己と人物と二なきを以
ての故なり」と、先生之を吾が身に求むと謂ふ、
がいきう
則ち道の外求にあらざることを知るべし。程門心
かく
伝の工夫、本と簡易なること皆此の如し。而て後
かへ ●
人以て仏に類すと為し、却つて門外の工夫を為す、
まど
惑へるにあらざるや。
楊亀山先生曰、「知万物皆備於我、則数数
雖多、反而求之於吾身可也、故曰、尽己之
性、則能尽人物之性、以己与人物無二
故也、」先生謂求之於吾身、則道非外求
可知矣、程門心伝之工夫、本簡易皆如此、両
後人以為類仏、劫為門外之工夫、非惑乎、
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●楊亀山。楊時、
前出。
●孟子尽心上篇
に「万物我に備
はる」とあり。
●己の性な尽す
云々。中庸に
「唯天下の至誠
能く人の性を尽
せば則ち能く物
の性を尽す云
々」とあり。
●門外。吾性を
尽すの工夫をな
さず、道理を外
方の研究に求む。
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