山田準『洗心洞箚記』(本文)76 Я[大塩の乱 資料館]Я
2009.10.3

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『洗心洞箚記』 (本文)

その76

山田 準訳註

岩波書店 1940 より



◇禁転載◇

上 巻訳者註

   せつくわ           しやう 九六 説卦に曰く、山沢気を通ずと。象に曰く、山上  たく     かん  沢あるは咸、君子虚を以て人に受くと。それ山は、                      いたゞき とほ  実物にして虚にあらざるなり。而も沢気其の頂に徹       じじゆん  れば、草木滋潤生育す。是れに由て之を観れば、則  ち特に虚、虚たるのみならず、実物と雖も皆虚なり。  故に君子其の象を観て、心太虚に帰し、以て天下の      善を容るれば、則ち天下の善、皆我が有と為る、豈  大ならずや。   説卦曰、山沢通気、象曰、山上有沢咸、君子以   虚受人、夫山也者、実物而非虚也、而沢気徹其   頂、草木滋潤生育焉、由是観之、則不特虚為   虚、雖実物皆虚也、故君子観其象、心帰乎太   虚、以容天下之善、則天下之善、皆為我有、   豈不亦大乎、       せういどう             とうそ 九七 文字の小異同を争ふものは、実に同穴の闘鼠な                     たひら  り。然り而て経世の大要に於ては、則ち心平かにし     べん  て以て弁ぜざるべからざるなり。   争文字之小異同者、実同穴之闘鼠也、然而於経   世之大要、則平心不以不弁也、



説卦。易の卦
を説く、十翼の
一。

象に曰く云々。
象は易の卦象を
釈する辞。艮下
兌上を咸の卦と
いふ、上は沢、
下は山なり、沢
に虚の象あり。
























九十二項に云
ふ。章句訓詁の
陋とは是れなり。


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