Я[大塩の乱 資料館]Я
2001.5.2

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大塩の乱関係論文集目次


「大 塩 平 八 郎」
その11

『異説日本史 第6巻』雄山閣 1932 より


◇禁転載◇

  二 咬菜秘記の弁護

 平八郎として到底あるまじき醜行について、坂本鉉之助の咬菜秘記では、左のやうに之を弁駁してゐる。先づ幕府が裁許書にかヽる私行を記載したことを責めて、

といひ、次に、平八郎父子の間礼儀正しきことを述べて

といつて、また次のやうに此の伝へを否定してゐる。

 そして、これは『何かな師匠平八郎の事を悪敷申為さんと申たることにて、必竟は犬の逃吠と申すものなるべし。』と述べてゐる。幸田成友博士は、この咬菜秘記の説に同ぜられて、橋本忠兵衛も読書人で、且つ事理に明るかつた人であるから、これが事実とすれば依然として平八郎の許に出入し、娘をそのまゝにしておくことはあるまい、また格之助としても従順に父に仕へてゐる訳はなからう、と観られてゐる。*1


管理人註
*1 幸田成友『大塩平八郎』(1942) p243〜247。


坂本鉉之助「咬菜秘記」その4
石崎東国「大塩平八郎伝」その64


(異説日本史)「大塩平八郎」目次その10その12

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