Я[大塩の乱 資料館]Я
2011.3.26

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大塩の乱関係論文集目次


『大阪府誌 警察史』

その16

大阪府 1903 より


◇禁転載◇

  第三節 与力并に同心、附、総年寄。  与力及び同心は、共に町奉行に隷属し、市政の局面に当り、殊に民刑事 に属する一切の司法権を行ふ。今、之れが分業を示せば、左の如し。  目付。与力中の重立たる者を以つて之れに任じ、他の与力竝に同心の職 務取扱向キ、及び之れが動作を監督す。  遠国役。西、三十三ケ国民の民事的訴訟に係ることを取扱ふ、而して一 国中に於ける人民の訴訟は其の国主の裁判に属すれども、各領地内外の人 民間に起りし訴訟は、当所奉行の裁断に帰せしを以つて、特に此の役を設 けて、其の管内を巡回せしめき。(三十三箇国とは日本六十六国の二分の 一にして、東三十三箇国は江戸町奉行、之れを管し、西三十三箇国は、大 阪町奉行之を管せり)  寺社役。神社寺院及び神主僧侶にかゝる事務を取扱ひ、又これが事件 を裁断す。  吟味役。騙局、口論、其の他の事を裁許、論罪す。  盗賊役。若干名ありて、昼夜定限なく、市内及び各支配地方面を巡回し、 摂河泉及び讃州塩飽島、播州等の各在所には番人を設けて、四箇所の配下 に属せしめ、事ある毎に、長吏若くは盗賊方に通知するを以つて例とす。  目安証文役。民事上にかゝる訴訟一切を取扱ふ。  火事場改役。三郷出火の際、現場の取調をなす。  欠所。各役に於いて官設公売の裁判をなしたるとき、之れが付け立を掌 る。  流人役。吟味役、盗賊役の裁断を経て、流罪にすべきものを引継ぎ、及 び乗船迄を取扱ふ。  鉄砲役。町人の所持する銃砲、弾薬を取締る。  牢扶持。牢中食用品取締を掌る。  定町廻。東西役所の与力一人、同心一人づゝ、一箇月交替に之れを勤め、 小頭一人、若き者四人を従へ、市内を四区に分かちて、日夜巡回す。而し て巡回に先たち、昼間は終日、夜間は時を期して、巡行すべきを奉行に報 告し、其の時問は、概半夜以内とし、今日昼間巡回せし所は、明日は夜間 となり、今日夜問巡回せし所は、明日は昼間となるなり。                              あまた  以上は与力同心共に掌る職なれ共、同心は、此の以外に、尚、数多の職 掌を有せり。即、左に列記するが如し。  組頭。同心の頭立ちたるものに命じ、同心全体の指揮をなさしむるもの なり。  筆頭。同心の老者にして、毫も事務を取扱はず、名目のみなり。  物書役。当審所にて取扱ふ一切の事を筆記す。  牢屋敷取締。牢屋敷に於いて、百般の事を主管す。現今の看守長の如し。  牢屋敷詰合役。牢屋敷取締の指揮に従ひ、牢屋敷詰をなす、今の看守の 如し。  高原溜取締役。高原溜は、罪人の病人を集容せんがため、高原に設けら れたる牢屋にして、又、時としては軽罪の者をも集容することあり。東西 の同心各二人、小頭四、五人これに任じ、当溜所の取締をなす。  町目附。町奉行に属する監察役なり。  盗賊方御役所定詰役  盗賊捕方


大坂役人録(天保八年年頭)


『大阪府誌 警察史』目次/その15/その17

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