Я[大塩の乱 資料館]Я
2011.4.13

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大塩の乱関係論文集目次


『大阪府誌 警察史』

その33

大阪府 1903 より


◇禁転載◇

礫。                  こうとう  此の刑に処せらるべきものは、左に恰当する者とす。  一、関所を除け山越をなし、又は関所を忍び通りし者。     但、男に誘引せられて犯したる女は奴。  一、同案内者。  一、金子を添へたる棄子を貰ひて、切殺し、又は〆殺したる者は、引廻   の上、本刑。  一、密夫し、実の夫を殺しゝ女は、引廻の上、本刑。  一、主人又は親に悪事ありと訴へ出でし者。     但、事実なるときは、本人は相当より一等軽く、訴人も亦なほ軽     く処刑せらる。  一、金銀を贋造せし者は、引廻の上本刑。  一、主殺は二日晒、一日引廻、鋸引の上、本刑。  一、主人及び主人妻、又は主人の倅に手負はしゝものは、晒の上、本刑。     但、懐胎女は、出産後、之れを施行す。  一、古主人を殺しゝ者は、晒の上本刑。  一、親殺、若くは旧主人に手負はしゝ者は、引廻の上、本刑。             ちょうちゃく  一、親に手負はせ、並に打擲せし者、及び師匠を殺しゝ者。  一、既婚者へ艶書を付けし者は、いまだ通ぜずとも、本刑に処廃せらる。     但、離婚者は構なし。  一、人の娘を養女に貰ひ受け、又下女に召抱へ、若くは誘拐して、之れ  を遊女に売りし者は、引廻はしの上、本刑。証人、亦、死罪に処せらる。  以上は、本刑に行はるべき罪人にして、而して其の仕方は、囚人を馬に 乗せて刑場へ召し連れ、下働人六人にて之れを下し、罪木に仰向けに乗せ、 足首を横木に結び付け、二人づゝ左右へ廻はり、高腕を横木へ結び着け、 囚人の衣類の左右脇下より、腰の辺迄を切り破り、胸板の左右より三ケ所、 縄にて結び、更に胴縄、襟縄等をなさしめ、人足十人余にて、此の罪木を 建て、根を地中三尺余埋込み、土にて固め、施行者、穢多は使へ伺ひ、 下役同心は、囚人の名前を糺して、穢多へ差図をなす。此の時、穢多は鑓 を持ち、左右に分かれ、囚人の胸部に於いて、左右より鑓を交叉し、ヤア /\の掛声をなす。之れを見せ鑓と称し、之れを引くと同時に、脇腹より 肩先へ、鑓の穂先一尺余を突出だし、一ツ捻りて、之れを抜き、其の後は、 左右より代り/\突くこと二十回乃至三十回にして、使へ伺の上、左右 より咽喉吭に止鑓を刺す。而して被刑人の諸物を没収せらゝ事、前に同じ。


「浮世の有様 巻之八 大塩一件落著」 その4


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