Я[大塩の乱 資料館]Я
2015.1.17

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『通俗洗心洞箚記』
その17

大塩中斎著 下中芳岳(1878-1961)訳

内外出版協会 1913

◇禁転載◇

上巻 (13) 一三 不動の精神

管理人註

心不乎太虚則 必有物、有物而 謂動者、便是 告子強制之道、而 非孟子之所云也。 孟子之不動、以 即太虚也。入火 不熱、入水不 濡、何況区区富貴 貧賤而足之乎。

                ぐらつ  太虚に帰らぬ心は必ず物欲の為に動く。物欲あッてなほ動          (一)  こぢつけ かずといふは、便ち告子の強制の道である。決して孟子の謂    (二) ふ所の不動の精神では無い。孟子の動かぬといふは、物に就 いて謂ふのでは無い、心に就いて謂ふのである。心が動かぬ は、それが太虚であるからである。太虚に帰りたる心、それ          は、火に入ッても熱けず、水に入ッても濡れぬものである。              どう 況して、区区たる富貴貧賤の何して之を動かすことが出来 よう。

    (一)告子は、詭弁を弄して屡々孟子に食ッてかゝッた   人である。そして、孟子をして、『天下の人を率ゐ   て仁義に禍するものは必ず子の言か』、と言はしめ   た人である。 (二)孟子の動かざるの心は言ふまでもなく浩然の気で   ある。浩然の気の太虚と同一物たるはこれが亦明で   ある。


『洗心洞箚記』
(本文)その14
 


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