Я[大塩の乱 資料館]Я
2015.1.18

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『通俗洗心洞箚記』
その18

大塩中斎著 下中芳岳(1878-1961)訳

内外出版協会 1913

◇禁転載◇

上巻 (14) 一四 形あるものは動く

管理人註

心不乎太虚 必動矣。何則有 形者、雖凌雲之 喬嶽、無底之大 海、必動揺於 地震也。而地震 不太虚 焉。故心帰乎太 虚、而始可 不動也已矣。

 太虚に帰らざる心は必ず動く。何となれば、形あるものは、           そこひ         ふる 雲を凌ぐ喬嶽と雖も、底なき大海と雖も、地震へば必ずそれ が為に動揺せざるを得ないからである。而も太虚は地震の為 に決して動かされない。故に心太虚に帰るを得て、始めて不 動の精神を語ることが出来る。

    此の語また一種の比喩である。『太虚にかへりたる 心には、人欲の私が無い。故に、如何なる誘惑物、 ―こゝでは地震に喩へてあるが、富貴貧賤の如き― が来ても、決してそれが為に正義を失はぬけれども、 若し、太虚に帰らずして人欲の私が存するならば― こゝには形ある物に喩へてある―其の誘惑物の為に 心動きて正義を失ふことゝなる』との意。


『洗心洞箚記』
(本文)その15
 


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