Я[大塩の乱 資料館]Я
2012.12.10

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「大塩の乱関係論文集」目次


『民本主義の犠牲者大塩平八郎』

その46

相馬由也

開発社 1919

◇禁転載◇

七、与力としての平八郎 (1) 管理人註
   

 平八郎の悟境は師授に依らずして、全然彼の洗心洞裏の黙想より来た                       ツテ  ニ  タリ ヒ  ノ ものである事は、彼の一斎に与へた書牘中の「因天祐、得舶来寧     ヲ       ノ       スルヲ ハ レ ル ラ ニ     シ ルヲ 陵呻吟語、此亦呂子病中言也、熟読玩味、道其不在焉耶、恍然如 ル  シ  ル ハ   ルニ  ヲ   モ ダ ハ ク       レドモ ラ ニ セリ 覚、庶乎所謂長鍼去遠痞、而雖全為正心之人、然 自幸脱        ヲ 於赭衣一間之罪矣」とあるによつて明瞭であり、而して彼が此恍然覚 る有るが如しと言つた実得の心境を、直に日常の公私の事物上に実現し 往かんと臍を固めて居た事は、前に示した荻野四郎助に与ふる書柬中の 「先年より追々私情を去候工夫に力を尽し、下賤ながら心付候事者、身                  あやうき 並家をも不顧、寸心一抔に尽し、誠に危事共相犯し候」とあるに因つ て、最も明確に窺はれる。而して是が一々空言に終らず、彼の吏務の実 績の上に現はれて居る処に、最も多大の興味がある。


悟境
物事を理解、
会得した境地

幸田成友
『大塩平八郎』
 その174






幸田成友
『大塩平八郎』
その181


『民本主義の犠牲者大塩平八郎』目次/その45/その47

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