二月十九日朝五ツ時より、大坂与力大塩平八郎一揆を打企、乱妨に及、天
満与力居宅へ火を掛、夫より大筒にて、一番に鴻池善右衛門宅を焼払、夫
より段々金持の者共を焼立、大筒一挺に百人計り、何れも抜身にて、火を
消候者を見付次第切捨候故、右の内に火所々へ蔓延、大騒動に相成候に付、
御城代樣よりも、町奉行よりも、御人数差出され候様にとの御達に付、一
番手廿日卯の刻出陣、二番手昼九ツ時罷越候、凡上下六百人許り出申候、
且又一番手には、尼ケ崎樣と一手にて、大手の方相固、二番手は、天王寺、
茶臼山相固候様との御差図にて、相固め候由、昨廿一日、一番手は大坂蔵
屋敷迄引取候様御差図に付、皆々引取申候、今日一番手繰込人数引取様と
の由に御座候、未大塩父子は、御手に入不申候由に御座候、委細跡より可
申上候、先承はり候條、如斯御座候、以上、 二月廿二日
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