Я[大塩の乱 資料館]Я
2014.6.1

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「大塩の乱関係論文集」目次


『大塩平八郎』

その45

丹 潔

(××叢書 第1編)文潮社 1922

◇禁転載◇

 第七節 計画は破れた (1)

管理人註
   

 苦しさうに息を切つてゐる済之助を擁した平八郎は、『事は破れた。一 瞬間を争ふ。用意せられよ。同志諸君。』と大声を放した。  一室で密談をしてゐた五六人の同志は何事が起つたかと、驚いて平八郎 の室に駈けつけた。済之助は同志に計画の破れたことを話した。平八郎は 使者を八方に駈せて同志を招いた。また百姓や人夫の集合にも力を注いだ。 『何しろ事が破れたから早くやらなければだめだ。』と、平八郎は同志と 共に、大急ぎで準備に取りかゝつた。 大塩邸は上を下への大混雑となつた。まるで火事場のやうだ。平八郎は 血気の大井正一郎と安田図書に命じて、平常からスパイ行動を匂はせてゐ る高弟の宇津木靖矩之允靖通を叩き殺させた。矩之允は彼の最愛なる門弟 であるが、いつも生ぬるい議論をしたり、協調的態度を取つてゐたからだ。 どうして殺したかかと云ふと、矩之允が便所から出てくる刹那を、正一郎 が怒号と共に斬りつけた。  この悲壮な情況が、同志の眼前に横倒つてからは空気は妙に緊張した。 同志は勢揃をした。
(前

 備)

得物持人足一人

得物持人足一人

得物持人足一人

火術者
 梅田源左衛門
木車大筒

人足三人

十目筒
 大井正一郎
大塩格之助
十目筒
 庄司儀左衛門
鎗人足
鎗人足
鎗人足
鎗人足
大筒人足
  二人
大筒人足
  二人
(中

 備)

大塩平八郎 同助七得物持
 木八
得物持
 金助
得物持
 久助
同 上田孝太郎   同 杉山三平
同 阿部長助    同 深尾才次郎
同 曾我岩蔵    同 志村周平
同 高橋九右衛門  同 渡辺良左衛門
同 堀井儀三郎   同 近藤梶五郎
同 安田図書    同 橋本忠兵衛
同 西村利三郎   同 柏岡源右衛門
(後

 備)

人足三人
十目筒
 瀬田済之助
人足三人
人足三人
大筒一挺
人足三人
持人
 正蔵
   具足櫃

同組屋

大筒 一挺
小筒二十挺
総人数
百三十余人
大筒打始東
奉行組屋舗より
版木師
 次郎兵衛
物持人足衆
猟師金助
 同志等は全隊を前備、中備、後備の三陣に分列した。前備は大塩格之助、 中備は大塩平八郎、後備は瀬田済之助が、それ/゛\担任した。この三人 の着込みは野袴で、白木綿の鉢巻を締めた。渡辺良左衛門、近藤梶五郎、 庄司義左衛門及び孝右衛門、忠兵衛、源右衛門等は各々異つた着込みで刀 を帯びた。後陣には人夫が長持及び葛籠を担いだ。前備の先頭に軽さうな 着込みで、長槍を握り、血走つた大井正一郎が立つた。彼はこの時二十三 歳であつた。同志は天を貫く勢であつた。







幸田成友
『大塩平八郎』
その125






















幸田成友
『大塩平八郎』
その132

『塩逆述』巻之三
その25










志村周平
「志村周次」
が正しい


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