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「浮世の有様 巻之七｣

『国史叢書 浮世の有様 ４』（矢野太郎編 国史研究会 1917）所収

平 山 助 次 郎	東御組町目付　平山助次郎 二月十七日右徒党の事訴状に認め、東御奉行所へ差出置き、江戸表罷越し、矢部駿河守殿江駈込み、其後大岡主膳正殿へ御預に相成居候由、前委しく認有之、略之。
吉 見 九 郎 右 衛 門	東御組同心　吉見九郎右衛門 右之者、長々病気にて、北の新屋敷に罷在り候を、早速召捕りに相成り入牢。
宮 脇 志 摩 守	摂州吹田村神主　宮脇志摩守 右之者、二月廿六日同人家内斬殺し、其上にて切腹致し相果て罷在る趣、則ち志摩守首東御役所へ持帰る。
梅 田 源 左 衛 門	高槻浪人　梅田源左衛門 右之者、二月十九日に淡路町堺筋辻にて、東御奉行手勢に、玉造鉄炮組坂本源之助打留め即死。則ち東御役所え持掃る。
松 本 林 太 夫	平八郎内弟子　松本林太夫 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　十四歳 右の者二月廿日勘助島にて御組町目附召捕る。此者幼年なれ共才智の者にて、乱妨の節口薬つぐ役に候由。此者白状にて諸事逆賊共の始末相知る。入牢。
杉 山 三 平 　 白 井 幸 右 衛 門	浪人　杉山三平　・守口質屋　白井幸右衛門 此幸右衛門、摂州質屋にて富豪の者にて逆賊に組し、金主方致し候由。右両人の者伏見迄逃去るの処、伏見御奉行手にて召捕り、二月廿五日東御所被差立則ち入牢。尤幸右衛門は坊主に相成り居候。
竹 上 万 三 郎	浪人　竹上万三郎 右之者、早速召捕り入牢。
大 西 与 五 郎 同 善 之 進	東御組与力　大西与五郎・同人忰同善之進 右両人之者、十九日淡路町散乱の節より、西之宮迄逃出で候を召捕りに相成り、其節道にて刀を捨て候を、百姓共見付け、則ち刀東御役所へ持参り、右の由訴出づる。右両人吟味の節、右の訳合被為尋候処、面目を失ひ一言の申訳け無之直に入牢。
深 尾 治 兵 衛	三番村　深尾治兵衛 早速召捕り入牢。此者所持之品鉄炮六挺・竹槍百筋・半鐘一、右の品不残東御役所へ持帰る。