砂 持 に 付 て の 狂 句
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天保九戊四月廿四日より、天満砂持三七日の間致し候処、道頓堀幸町諭如山社地是も同様砂持相始候処、市中一統に殊の外大はずみ、種々の組々 趣向にて出候に付て、ねり物番付に形取候書付如左。
夜見せひまの内 見附し台
はやくねるもの 雲に掛出し霞にはしり
一、 | てんてこ
舞子二人 | 親子我等は著ず
とも子に著せて |
ぶた尾屋
しやうらひ |
一、 | 陽気火 |
足元は聞くとま
まにおもしろや |
あたま栄
野瀬 |
一、 | しのぶ売 |
蝶々で菜種に
困る客もなし | こそや一茶 |
一、 | 湯あがり | あすも又踊るつ
もりの足休め
| 大勢風呂 入口 |
一、 | 宇長天 | 砂持が金を持つ
たか知らねども | とん藤
若蘭 |
一、 | 踊子二人 | 親父めが叱ろと
まゝにまゝの皮 |
それ水
せつ・この |
一、 | 浮れ女 | 男にもなりたき
けふの思ひかな |
黒藤
ひめ |
一、 | 梅鉢の木 | 豊作を守らせ
たまへ天の神 |
ゑらひ
はずみ |
一、 | 白舞天 | すし米も大かた
百になりにけり | 米も
やす |
一、 | 乙女 | 砂持も国々まで
も鳴りひゞく | すゞや
かね |
一、 | 不時儲 | 借り集め犬や牛
迄たかせけり | 下駄屋
駒 |
一、 | きぬた | 色々と売りて上
げます忙しき | 大丸小橋屋
ゑつ |
| 節季所はやし |
一、 | さア味線 | ない庄 つけ |
一、 | 弁慶 | 太鼓 こちや しらん |
一、 | かね | 大ぶん いろか |
一、 | ふえ | はらい つまらん |
以上
仇口をゆふがさんやらはじもかき つくしのかみの 無筆おゆるし
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