玄関へ/「浮世の有様」目次(抄)
砂持最中、甲州身延山よりも金儲の為に大坂へ出来り、法華宗の寺々に十日・五日・三日程づつ巡行し、したゝか金を取り手繰り帰りしと云ふ、之れが出迎へ見送り抔とて、堅法華の凡俗共我も\/と浮れ立ち、砂持に負けじ劣らじとて山上講の幟を建飾り、馬に米俵をつけ竹馬に金銀銭を飾付けて之を担はせ、何れも一様なる踏込はき練行ける有様は、阿房の昼狐に化されしとは、かゝる事をいふものなるべし。南無妙阿房連出行と云ふべし。
価三七 一、菅原もち 二十一文 同 一、しんけんもち 此品遠方へ御遣ひ被遊候共、足強し。 同 一、浮気もち 此品久敷受合難し。 同 一、猫間川包 御望次第取々。 一、河内製道明寺と有、五十文。
右の品々当春以来相始候処、昨年に引替へ御町中様我も\/と御揃ひにて、御入来御注文被成下候段、屋体の銘々打囃し奉悦入候。随て冥加の為め寄進之、尚此度新製御霊神末もちとなぞらへ、来る十日売始め申候。尤御添物として未熟の諭伽おこし奉差上候間、晴天十日の間多町に不限御用向御捨置、賑々敷く御来駕偏に奉希候。已上 月 日
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