Я[大塩の乱 資料館]Я
2003.12.26

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「浮世の有様 巻之八」

◇禁転載◇

金沢の敵討 その4


 


近年町方・在万にて菓子類・料理等、無盆の手数を相掛け結構に致候者共有之由に候。右之類其儘に差置候ては、風俗益々奢侈に相成り不可然儀に付、差留候様可被致候。都て食物類高直の品売買致間敷き旨申渡候欺、不用者有之者吟味之上急度咎申付、且又食物商人迄も相減候様可被致候事。

一、往来にて無益の食物商ひ候者、近年増長致し候段不宜事に付、向後可相成丈け、相減じ候様可被申付事。

 














十八日時々雨にて、申半ば過迄降りしが、夫より雨止みし故、御霊の渡御ありしかども、此間よりの雨にて川水高き故、淀屋橋の浜迄にて川の渡御はあらず、粛々たる有様なり。

十九日晴曇定まらず、夜に入りて雨終夜止む間なし、暮過に雷鳴有り。

二十二日晴、座摩祭り至つて淋し。此宮の神主至つて不行状者故、至つて貧窮し、己が諸道具・衣類等悉く売払ひ、屋敷は家質に入れて利銀さへ遣すことなく、神宝は申すに及ばず、神輿其外祭の道具迄悉く質物に差入れぬる故、昨年の祭礼には例年の渡御をな す事能はざりしが、今年は御旅所の砂持をなし、其上りし所の金子にて漸く質受をなして、当年は渡御有りしと云ふ。不埒なる事と云ふべし。

博労町難波天王の祭も至て淋しき事なりと云ふ。 之も神主不埒にて、御咎を蒙り籠居中なりと云ふ事なり。

廿三日曇、未明より雨、午の刻止みしが又時々降り、暮より雨は止み冷風吹く。

廿五日晴、昨今天神祭、是は外々の神事と違ひ、地車十番も出でて至て賑はしき事なりし。

廿八日曇、辰の刻雨休降定まらず、此四五日は先日頃と違ひ、漸々と冷気、少しく残暑らしき様子になりしか共、何分不時候にて雨天続なりしかば、種々に宜しからぬ取沙汰をなし、米価四十匁余り引上がる、姦商の所業悪むべき事なり。

 


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