Я[大塩の乱 資料館]Я
2004.2.6

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「浮世の有様 巻之八」

◇禁転載◇

大塩一件脚本の筋書 その3












其次山中屋善右衛門とて大 金持の町人の宅にて、主人善右衛門は大馬鹿者作りなり。

此者新町の太夫に惚込て他愛なき仕打、手代に長兵衛・伊兵衛といへる有り。此者共は至て律義者なり。此店へ浪人せし処の小塩貞八、筑前屋敷の使者と偽り、 大金を騙りに来る。伊兵衛・長兵衛騙られて已に金を出んとす。

此家の出入に三字屋五郎兵衛と云へる者、其騙なる事を見顕して、密に伊兵衛・長兵衛へ囁きぬるにぞ、両人共之を心付き、品よく其場を云ひくろむ。小塩貞八は騙を仕損じ、悠々として立帰る。

夫よ り廻り道具にて夜中の体、主善右衛門蚊帳を垂れて、太夫と寝て居る処の座敷の模様なり。

此処へ小塩貞八大勢の手下を引連れ出で来り、蚊帳の四 方を切落し善右衛門を踏飛ばし、刀にて背打にし、太夫を己れが側に引 寄せ置き、手下共は土蔵の戸前を打破り、金子十万八千両奪取り、貞八が前 にこれを持運ぶ。貞八是を差図して手下共へ持たせ、太夫を引立てゝ出行くに ぞ、阿房仕立の善右衛門手下に締上げられて居ながら、つまらぬ顔を なし、慄ひ慄ひ可笑き身振あり。

手下の者小塩に向ひ、「此阿房奴は殺すべきや」と云ふ。貞八振返り、「其阿房殺すに及ばす、助けやれ」と言捨てゝ出で行く。それにて幕。

 


「大塩一件脚本の筋書」その2/その4
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