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二、中斎の威容
天満水滸伝は此日、総大将の威容を左の如く記し居る。
かさ
其日総大将大塩平八郎が出立には、白小袖の上に黒羽二重の紋付を複
は
ね、銀もうる野袴を穿き、太刀造りの大小に黒羅紗の陣羽織、鍬形打
たる廿四間白星の甲を着し、手に赤き采配を取つて人数を指揮す。其
年齢四十五六歳にして、面長く色白く、眉毛逆立、耳袋大きく、眼光
人を射、中肉中丈、威あつて猛からず、言語爽かにして水の流るゝが
如く、誠に何れへ出しても一方の大将とこそ見えにけり。
多少稗史的文飾あらんも、威風堂々、大将の貫目は十分であつたらう。
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石崎東国
『大塩平八郎伝』
その116
『天満水滸伝』
その20
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