気安くほめるな
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承認はほめることと心得たり、でやたらとほめまくる向きがあります。

たとえば昔取っていたコーチ21のCTPにこの傾向がありました。何かというと「素晴らしい」を連発する。何言ってんだよ、そんなしょうもないことが素晴らしいのかよ、臭くてやってられないよ、とひねくれた私はよく思ったものです。

十把一からげでデリカシーのないほめ方は教養のなさを暴露しているだけで、百害あって一利なしです。

あなたはたとえば自分の服装や髪型をほめられたらうれしいですか?私個人はうれしくないとは言いませんが、ほめるよりほかにして欲しいことがあります。それは、

「気持ちはわかります」

このひと言を言って欲しいのです。この文章で書いているように、私が、

「歯が浮くような臭い承認はけしからん」

と言ったとして、ここで欲しいひと言は断然、

「気持ちはわかります」

なのです。人はいろいろな考え方・感じ方をするので自分の考え方が絶対であるわけがない。だから、

「気持ちはわかります、でもね・・・」

でも構わない。しかし、「気持ちはわかります」のひと言がない人とは友だちにはなれないよね、というのが本音です。

承認とはほめたり、意見に賛同することではなく、感情を肯定するのがポイントである、と信じています。

社会経験
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私は3年遅れで25の時に社会人になりました。現在47、つまり社会人になって22年経ったことになります。

この間、ぺえぺえから役員まで一通り経験、大恥もかいて、大失敗もし、大事にいたらなかったが交通事故も引き起こし、失恋・リストラを含む結構な修羅場も体験した反面、恋愛もなんとか成就させて、外国人と結婚し、子供も育てて今日あるわけです。また学生時代にアメリカと中国でしばらく生活したのも大きいです。

こうしていろいろな経験を積んでいますので、今となってはどんな相手でも位負けはしません。たいてい相手以上の情報量を持っていますので、相手に応じて縦横に対応できるわけです。

さて、まだ20代の若者(男女とも)が私の本を読まれて、コーチになりたい、と言って連絡を取って来られます。読者ですから極力親身にお相手するのですが、やっぱり20代ではコーチは難しいでしょう。海千山千の社会人に対して断然位負けしてしまうからです。

コーチに必要な人間力とは、誰に対しても位負けしないことです。つまり相手にとって語るに足る相手である、ということです。

ということは少なくとも10年の社会経験は必要だと思います。

ルールの違い
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いろいろなクライアントさんをコーチングさせていただいていますが、痛感するのは民間と役所(公的機関)では全くルールが違うということ。民間は下手をすれば簡単につぶれてしまいます。公的機関はそうではない。

たとえばかなり情緒不安定な社員(職員)がいたとします。

民間ではすぐさま辞めさせないと会社の業績に影響します。しかし役所ではよほどひどくて大問題にでもならない限り、組合が強くてこういう人物でも雇用継続してしまいます。その結果、民間の常識では想像を絶するような人が長年温存されているケースが結構あります。

役所や公的機関に勤めるということは、時にはこうした手合いを見て見ぬふりをすることが求められるわけです。しかし、民間でもないわけではありません。大手企業だと、臭いものにフタ状態で温存されているケースもあります。

職場の人間関係の処方箋は、職場によって全く異なります。私は民間人ですので、もちろん共感できるのは民間の論理です。ある公的機関にお勤めの女性が、

「民間は所詮お金儲けですからね」

とおっしゃったことがあります。

わかってないな、民間はそんな呑気なことを言ってたらつぶれるんだよ、と喉まで出かかったことがあります。しかし、民間の価値観だけで役所をとやかく言うのも的外れです。

コーチには民間モード、役所モードの切り替えが必要なのです。民間には民間なりの、役所には役所なりの難しさがあり、どちらも時には無力感を感じざるを得ないのが実情なのです。

うまく辞めさせるのもビジネス・コーチングのうち
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「情緒不安定な従業員がいるがどうしたものだろうか」

という相談がたまに舞い込むことがあります。たぶんコーチングを使ってどう育てるか、の相談だと思いますが、私に相談しなければならないほど深刻なわけで、迷わず、

「即刻やめてもらうことでしょう」

と提言します。人は侮りがたい可能性を持つ反面、容易に変わりっこないというのも事実です。育てて何とかなるのか、ならないのか、たいてい即時に判断できるものです。相手に「線が1本切れている」感じがあれば、まずダメです。

そもそも、こうした質問をしてくること自体、経営者として大したことない、というしかない。

え、冷たいじゃないか、ですって?

誰だって「引導わたし」はやりたくない。でもほんの一時のことです。その情緒不安定な人に先々まで付き合って職場全体に出る悪影響を甘受するのがいいのか、後任のまともな人と一緒にいい雰囲気の職場をつくるのがいいのか、答えは明白でしょう。

ただ、下手に解雇すると「不当解雇」と言って騒ぐ手合いがいるので、やめさせるには細心の注意が必要です。うまくやめさせるには悪魔的な知恵も必要なのです。ものごと性善説だけでは解決しません。「うまくやめさせるのもビジネス・コーチングのうち」だと私は確信しています。

「げっそり感」はコスト
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私は毎日のように体験コーチングの申込のメールを頂戴します。

これだけやってると、文面を読んだだけで相手がどの程度の人物か、たちどころに見当はつきます。何か腑に落ちないと感じた人物はやっぱり変な人であることが多い。

ただ、これには10パーセントの「意外」があります。何か腑に落ちない文面の人が、クライアントになり、友人になったケースもある。だから、文面だけで高をくくるわけには行きません。やはり実際に相手をして実証する必要があります。

ただ予想通りのケースが大半です。自己チューで常識が無い傾向が文面からだいたい読み取れたとします。案の定、さんざん相談に乗ってもらっておきながら礼も言わないというケースが発生します。別れ際に、

「はい、わかりました」

とだけ言うのです。こちらだっていくらなんでもストレスがたまります。

「礼くらい言ったらどうですか」

というアサーティブネスを行使すべきか、その程度の常識もない輩は無視するか、判断には迷うところです。結局、関わらずにできるだけ早く忘れてしまうのが正解のようです。ただ、こうした変な人の相手が続くといかに私でもげっそりしますね。

以上のような「げっそり感」はいい出会いのためのコストと割り切るしかないと思います。「げっそり感」を繰り返すなかにいい出会いが混じっているのが実情なのですから。
500 ADD
499 具体的で辛口の承認
498 承認は「ノリ」というプラス・アルファを生む
497 承認を少しでもいいから絡める
496 木に登らせる

*
495 ペーシングなんて
494 コーチングはスキルではない
493 コーチングの種類について
492 嫉妬と承認欲求
491 承認欲求

*
490 自己実現欲求と承認欲求は表裏一体
489 究極の自己承認
488 相槌・うなずき・オウム返し
487 成功哲学と自己承認
486 承認とは自己承認の増幅

*
485 インターネット・マーケティング
484 とにかくいい時代
483 四十肩(五十肩)
482 夏の思い出(パート2)
481 夏の思い出

*
480 日経経営セミナー(大阪)
479 次の志
478 志がなくては
477 立志の自己承認
476 相手がある問題

*
475 まず自己承認を確保せよ
474 窮地を乗り越えるとは
473 積極心とは、信念とは
472 承認は人生だ
471 すみやかな忘却

*
470 承認の世界は生ぬるい?
469 「叱責」は「愚か」
468 承認は承認を呼ぶ
467 承認の世界に生きよ
466 メールは真剣勝負

*
465 承認の調整機能
464 承認は功徳だ
463 配偶者の承認
462 プライド
461 座右の書

*
460 寛容さ
459 すべてを承認につなげよ
458 昼間何をするのか
457 値上げだと?
456 臭くあるな、らしくあれ

*
455 気安くほめるな
454 社会経験
453 ルールの違い
452 うまく辞めさせるのもビジネス・コーチングのうち
451 「げっそり感」はコスト

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