承認で切り返す
855



柔道は相手の力を利用して技をかけます。たとえば押してくる力を利用して投げ飛ばす。これで一本となるわけです。

あるクライアントさんがおっしゃっていましたが、サボって仕事をしない同僚をたしなめたところ、その相手から、

「アンタは能力が低いからね」

攻撃されたのだそうです。だれでもこんなことを言われると固まってしまいます。この場合、どう切り返すのがいいでしょうか。道徳的・宗教的に考えても、この罵詈雑言に黙って耐え忍ぶのも悪いことはないですが、耐え忍ぶほうは相当の葛藤を経験し、ストレスのたまることでしょう。

「あなたは能力が高いですからね。おっしゃってることはさすがですね」

これで一本でしょう。要は、相手が自分を高め、他人を貶めるようなことを言ってきたら、それを肯定してしまえばいいのです。たとえば、

「あなた給料少ないんですね」

みたいなことを言われたら、

「あなたはよほど高い給料を取ってらっしゃるんですね。さすがですね」

と言ってしまえばいいわけです。

相手からの承認は反論しにくいし、反論すれば謙遜となってしまいます。しかし、批判している相手に謙遜はまったく馴染まないので、それ以上手出しができなくなるのです。

もし相手を承認せず、相手の言うことを否定する、という形で反論すれば、相手はますます居丈高になり、全力で攻撃してきます。これは火を見るより明らかでしょう。

承認は本来は相手から愛され、相手の意欲をかきたてるという効能があります。しかし使いようによっては、承認は自分をストレスから守るという効果もあるわけです。やり返すのは決して相手を攻撃するためではなく、自分のストレスを最小限に食い止めるのが狙いです。

ただこういうのは得てして、後から、

「こう切り返したらよかったな」

という後講釈になりがちです。しかし、くやしい思いをしたらよく研究して今後に生かす。これが大切だと考えます。

それはちょっと難しいんじゃないでしょうか
854



「それはちょっと難しいんじゃないでしょうか」

とうっかり体験コーチングでしゃべったところ、

「あなたは私の意図を否定されるわけですね。じゃあ、私はどうしたらいいんですか」

と切り返されて、主客逆転したことがあります。これではどっちがコーチかわかりません。

とにかく、難しいと判断するのはあくまで相手で、コーチはクライアントに考えを押し付けてはいけません。相手がAと主張するのなら、それは十分尊重しなくてはならないのです。たとえAがナンセンスであってもです。

もっとも、この言い方で十分納得する相手もいるわけです。相手は残念ながら気心の知れない初めての相手でした。

やっぱり、気心の知れないうちは慎重に話すに限ります。

「それはちょっと難しい、と私は感じるのですが、どう考えられますか」

という言い方なら問題なかったでしょう。

コーチングの影の部分
853



コーチングという業界には光の部分と影の部分があります。いろいろなコーチングのサイトを当たっても光と影をバランスよく扱っているサイトはほとんどないのが実情です。どのサイトも光の部分だけを喧伝しています。

私の自分のサイトやブログでは当然影の部分も扱っていますが、あくまでバランスよく真実を、というスタンスです。露悪的な内容は興味本位で面白いかもしれませんが、所詮それだけのことです。ネガティブな内容によってサイト全体のイメージもかえって悪くなってしまうでしょう。

さて私はネット・コーチングを標榜するものですが、数少ないながらライバルもいます。それがコーチ・シャイニングの高橋さんで、お互い面識はあります。彼のサイトを拝見していると影をあつかったページがありました。

http://shining.main.jp/ura.html

かなり控えめに問題提起をされていますが、一読に値するので紹介させていただきます。100パーセント同意見ではありませんが、実際に従事してないと書けない内容であるのは確かです。

たとえば、脱サラでコーチングをやりたいなどという人は多いですが、わかってないな、というしかありません。コーチングはたいへんやりがいがあり楽しいですが、コーチングだけで食っていくというのは私も全くもってオススメできません。

コーチの世界はひと言で言って百鬼夜行、私などもその「鬼」の端くれですが、全くきれい事だけでは片付かない世界なのです。

聴衆の反応
852



私は月に少なくとも1回はどこかでコーチングの研修や講演をしています。今までにいろいろな聴衆の反応を体験してきたわけですが、言われてなるほど、と思ったことがあります。

受講者が自腹を切って来ているセミナーは反応がいいが、受講者が仕事でやむを得ず出席しているセミナーは反応が悪い

こう指摘されたのは、インストラクターとして人前で講義したりする経験の多い方でした。

確かにそう言われればそうです。話をするほうからすれば、受講者が自分でお金を払って来たセミナーなら、一生懸命聴いてくれますから、ラポールが築きやすいのは事実です。

ラポールという意味では、私の場合、自腹を切った切らないよりも、聴衆のなかにひとりでもうなずいて聴いてくれる人がいるかいないかが大きいです。ひとりでもいれば、まず確実にペースはつかめます。滅多にないですが、素敵な美人が微笑みながらうなずいてくれる、などというのは最高です。うなずいて聴いてくれる人がいなくても、聴衆の表情の変化が読み取れる場合は、ペースはつかみやすいものです。

厳しいのは、受講者が私語が多い、携帯に電話がかかってきて中座する、前列のひとりが睡眠不足なのかあくびばかりしている、といった場合です。

プロならどんな聴衆でも、話に引き込んでしかるべきだと思います。と言っても、ラポールを築きやすい聴衆、極端にラポールの築きにくい聴衆がいるのは厳然たる事実です。

独立したら生活していけませんね
851



「あなたのコーチングの料金体系だったら、独立したら生活していけませんね」

とある方から言われたことがあります。

私の料金体系とは、

コーチング料金
一  般:1回5,000円で12回契約(毎週実施すればおよそ3ヶ月)
経営者:1回7,500円で8回契約 (毎週実施すればおよそ2ヶ月)
ともに6万円です。
毎回セッション終了時に次回の予定を決めます。
※体験コーチングは無料です(1回のみ)


です。安いと思うか高いと思うか人それぞれですが、こう言われるとあまりいい気はしません。

「あなたって薄給なんですね」

と言われたに等しいからです。だが私にも言い分があります。自分がコーチングを受ける場合、これより多く払いたいとは思いません。それに、

「おのれの欲せざるところ、他人に施すことなかれ」

という黄金率を適応すれば、この料金体系になるのです。

まあ、この料金で一回やってごらんなさい、と言いたいです。この料金を頂戴し、相手に満足していただくのは結構難しいですよ。
900 タイプ分け
899 アンチ原理主義
898 他の手法と組み合わせる
897 批判する相手とのコミュニケーション
896 攻勢のアサーティブネス

*
895 2人、3人の上司
894 やれるところまで
893 今後オススメするとしたら絶対OFFICE LIVE
892 一旦引け
891 とりあえずコアの2割だけ即片付ける

*
890 資産運用はすこし勉強すれば事足りる、是非勉強すべきだ
889 友人が鬱でなんとかしてあげたい
888 内視鏡検査
887 マットを敷き詰める
886 気高く生きる権利

*
885 過去の自分が引き起こした問題
884 赤信号をぶっ飛ばすような、反則コミュニケーション
883 主人に代わります
882 自分はふだん「箱」に入っているのだろうか
881 遠慮しないで、関わろう

*
880 いついかなる相手に対してもアサーティブであれ
879 社保庁サイト
878 手を上げた人を鞭打つ発言をする人
877 インデックス・ファンドの積立投資
876 雑用もやります

*
875 副官の選定
874 批判的だが、批判する立場にはない
873 自分で自分が許せるのかどうなのか
872 山道の木
871 真夏の通り抜け

*
870 迎えず送らず
869 日経経営セミナーに3度目の登場
868 状況が変わってもやっぱりインターネット
867 「解説する」が「話すべきではないことは話さない」
866 ファイナンシャル・プランナーの相談は足が長い

*
865 中村天風を読んでもらう
864 ファイナンシャル・リテラシー
863 その手は食わない
862 ファイナンシャル・プランナー
861 サブプライムローン

*
860 5つの仕事があれば
859 イヤな相手の対処法
858 タフ・ネゴシエーター
857 コーチングが一皮剥ける時
856 志のない相手は時間の無駄

*
855 承認で切り返す
854 それはちょっと難しいんじゃないでしょうか
853 コーチングの影の部分
852 聴衆の反応
851 独立したら生活していけませんね

*** コーチングを受けてみませんか
*** コーチングとは(私見)
*** 社会人のためのカウンセリング
*** カウンセリングとコーチング
*** ビジネス・コーチング入門
*** ライフ・コーチングの奨め
*** コーチングは自己承認から
*** オーケストラ再生のオーディオ
*** オーケストラ録音を聴く
001〜050 051〜100 101〜150 151〜200 201〜250
251〜300 301〜350 351〜400 401〜450 451〜500
501〜550 551〜600 601〜650 651〜700 701〜750
751〜800 801〜850 851〜900 901〜950 951〜999
All copyrights reserved 2006 Yoshiaki Sugimoto